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    [CL直前試合分析] 2011-2012 プレミアリーグ第25節 サンダーランドvsアーセナル ~アーセナルの新たなサイクルは始まっている~

    ACミランはアーセナルとのUEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦 1st legを明日に迎えている。
    今回のブログではその対戦相手となるアーセナルの直前の試合を分析することにしたい。
    この記事では特にアーセナルの戦術分析を主眼においていることをお断りしておこう。

    まずはこの試合のスタメンから。
    2011-2012 プレミアリーグ第25節 サンダーランドvsアーセナル スタメン・ベンチ・選手交代


    では次に、フォーメーションを見る。
    2011-2012 プレミアリーグ第25節 サンダーランドvsアーセナル スタメンフォーメーション
    サンダーランド:4-2-3-1(0トップ)
    アーセナル:4-2-1-3
    実線は特に意識されていた動き


    ●アーセナルは「戦術=ファン・ペルシー」ではない
    今のアーセナルで最も目立つ存在がファン・ペルシーであり、「アーセナルは戦術=ファン・ペルシー」と言われることも多い。
    しかし、これは決してそうではなく、チームとして崩そうとしており、その際に最も良いポジションに入るのがファン・ペルシーである、ということであると反論をしたい。
    もちろん、ファン・ペルシーや後ほど見るティエリ・アンリの個の力といったものによるゴールがあることも否定はしない。
    現にアーセナルの崩しの局面は非常にシステマチックなものが多い。
    そのシステマチックなものを以下では見ていきたいのである。

    ●アーセナルのスタメンに抜擢された新たな若き戦力
    ここ最近の試合ではアーセナルに変化が起きた。
    それがアレックス・チェンバレンのスタメン起用である。
    この18歳のウィングはアーセナルのカウンターという1つの武器に非常に上手く化合したと考えられる。
    その点が上に書いたフォーメーション図における実線(=特に意識されていた動き)に表れている。
    アーセナルの右ウイング、テオ・ウォルコットの最大の良さはカウンター時の裏への飛び出しのタイミング、そしてスピードにある。
    しかし、このウォルコットのカウンターでの突破は完全にDFを振り切らない限りは、中へのカットインではなく縦の突破に限定される。
    このとき、中の厚みを持たせるのがチェンバレンである。
    若く十分なスピードを持つこのチェンバレンはウォルコットの縦の突破の速さに付いていくことが可能で、左サイドに置かれるとカットインの動きを非常に重視する。
    この動きがあるため、アーセナルのカウンターは非常に速く、厚みのあるものとなるのである。

    ●アーロン・ラムジーではなく、トーマス・ロシツキーの理由
    このチェンバレンのスタメン抜擢によって、2月からスタメンを獲得したのがトーマス・ロシツキーである。
    ラムジーの良さはセンターでのラストパスや詰めの飛び出しの能力であるが、逆にロシツキーは前後のバランスやサイドへのサポートの動きに長がある。
    後者を選んだ理由は、チェンバレンとの兼ね合いにある。
    すなわち、ロシツキーが前後左右のバランスを見たポジショニングをすることで、チェンバレンの動きに自由度が増すことにその理由があるのだ。

    ●3人のセンターハーフのバランス感覚
    私は上にアーセナルのフォーメーションを4-2-1-3と表記したが、これには含みがある。
    「攻撃スタート時のものを基準にすると」という条件付きになるのがそれだ。
    このアーセナルのフォーメーションには臨機応変に如何様にも見えるときがある。
    しっかりとブロックを付けて守っているときは4-1-4-1、ビルドアップが完了すれば4-3-3というように。
    この如何様にも見えるシステムの中心を司るのが、ミケル・アルテタ、アレックス・ソングの2人である。
    この2センターハーフのコンビネーションはかなり熟していると見てよく、ビルドアップ時には片方がバックラインの近くまでサポートに戻るともう片方が前に出たり、守備時には片方がファーストプレスをかけるともう片方がリトリートする、といったように、前後のバランスをしっかりと付けている。
    そこに前でバランスを取るロシツキーが加わるといった形で、バランス感覚を保とうという形である。
    以前はガナーズの代名詞とも言えた「パス&ゴー」の形は減ってしまったが、その代わりに中盤でのバランスは以前より増した印象がある。
    今後はそのバランスを保ちながらも「パス&ゴー」をまた増やすことができれば、さらに驚異的な攻撃を織りなすことになろう。

    ●きっちりと守備ブロックを作るサンダーランドを崩しきれないアーセナル
    試合は終始アーセナルが主導権を握り、サンダーランドがきっちり守るという展開であった。
    しかし、アーセナルはなかなかチャンスに結び付けることができない。
    ここでのポイントは「サンダーランドが2ライン間のスペースをかなり狭くし、アーセナルが攻撃のスイッチを入れる機会を与えなかったことであろう。
    アーセナルのカウンター以外の攻撃において重要になるのはこの相手の2ライン間でのスペースに入る選手と、その動きで空いたスペースに入る選手の連携プレーである。
    しかし、サンダーランドはこの2ライン間を狭め、しかもバックラインを低く設定しながらラインの上げ下げを行っていた。
    これによりアーセナルはボールポゼッションが続くが仕掛けることが非常に困難であった。

    ●膠着した時にも効果を発揮するテオ・ウォルコットの飛び出し
    この試合のサンダーランドは守備時にフィールドプレーヤー10人全員が自陣でのディフェンスに戻り、スペースを消していたが、バックラインの上げ下げも2ラインの間隔を意識して頻繁に行われていた。
    ここで効果を発揮したのがテオ・ウォルコットである。
    まずは前半23分、サンダーランドのFKのカウンターからファン・ペルシーがフリーで持って上がると、ウォルコットがバックラインを見ながら飛び出し、そこへスルーパスが出る。
    これをシュートするもボールはゴール左へ。
    この試合最初のチャンスを逃す。
    さらに前半31分も膠着した状態から上手くラインを破って飛び出すウォルコットの姿があった。
    こちらのソングの浮き球のパスをダイレクトで打ったシュートも枠を外れるが、効果的な飛び出しを見せたウォルコット。
    この動きは相手ディフェンスラインの上げ下げを難しくするという効果を発揮することになる。

    ●ガナーズの守備における不安定感
    上記のように少なくとも2月に入ってからのアーセナルは好守のバランス面においては大きな成長を見せているが、それでも拭えないのが守備における不安定感である。
    この不安定感は決して以前のガナーズのように攻撃的すぎるだとかといったものに起因するものではない。
    ここでの課題は「マークの受け渡し」における欠陥が大きく起因する。
    本来はボールホルダーへのプレッシング意識とマーカーを見るという行為は同時になされなければならないのだが、「できるだけ早くボールを奪取する」ことを主眼とするディフェンスがなされるパターンが多く、これによってボールウォッチャーになる選手が前線には何人かいる。
    マークの受け渡し
    前半最後のサンダーランドのチャンスはロシツキーがこの例に当てはまる形となり、コールバックにフリーでの攻め上がりを許したことが大きなピンチを招いた。
    マークの受け渡し②

    こうしたシーンはほぼ毎試合において散見されることからも、素早いポジションチェンジやバックラインが崩れるなどのミスが起こるとほぼ確実にピンチを招いており、リスクマネージメントの面に課題があると言えよう。

    ●アーセナルディフェンスの1つの弱点
    この試合、先制点が奪えないことから後半のアーセナルは全体的にラインを押し上げ、サンダーランドディフェンスに対する圧力を強める。
    後半に入ってからというものアーセナルのバックラインは攻撃時には敵陣内の高さまで推し上がり、ほとんど試合を制圧する形となったが、ここで生じるのはカウンターの危険性である。
    アーセナルの弱点がこのカウンターを受けたときの対応に表れる。
    ここに1例があるので御覧頂こう。
    サイドバックとセンターバックの間①
    まずは左サイドバックのヴェルメーレンがマンマークの規則通りF・キャンベルに釣りだされる。
    サイドバックとセンターバックの間②
    それによって空いたスペースを埋めることがないため、セバスティアン・ラーションが突く。
    サイドバックとセンターバックの間③
    これをアーセナルの中盤の選手がカヴァーリングすべきなのであるが、そのカヴァーリングによって空くことが予想されるバイタルのスペースを埋めるべき選手の戻りが遅く、アレックス・ソングの判断が非常に難しくなっていることが十分にわかっていただけるであろう。

    このシーンの直後、アーセナルはセットプレーから再三こぼれ球をミドルシュートであわやのシーンを作り出されるが、こちらに関してはシュートコースを限定することはできていたため、あまり問題とは感じない。
    この流れで既にメルテザッカーの動きがおかしく見えたのだが、これがサンダーランドの先制点につながった。

    ●アンリの投入と緊急投入となったアーロン・ラムジーがもたらした4-2-4
    チェンバレンとアンリの交代があった直後にメルテザッカーが負傷し、ソングをCBに下げてアーロン・ラムジーを入れることとなったアーセナル。
    アンリはセンターでのポストワークが必要と判断し、中に張ることも多かったため、ロシツキーがサイドに流れるケースが生じ始める。
    半ば付け焼刃的に生じた4-2-4のような形が、アーセナル起死回生の同点ゴールを生み出す。
    サンダーランドはこの3トップとロシツキーによるアーセナルの前線の圧力を耐えきれず、ズルズルとラインを後退させた瞬間だった。
    後半30分、アルテタのミドルシュートがブロックされたこぼれ球がバイタルエリアでフリーのラムジーの足元へ。
    これを逃さず蹴りこんだラムジーが投入直後に結果を出し、アーセナルがすかさず同点においついたのであった。

    既にウォルコットの飛び出しが必要のないところまでサンダーランドのバックラインが下がりきったことを見たアーセン・ヴェンゲル監督はすかさず動く。
    そのテオ・ウォルコットに代え、アンドレイ・アルシャービンを投入し、本格的に4-2-4へ。
    これが最後の最後に形を成した。
    後半46分、左サイドのアルシャービンが2人のプレスの間を抜くクロスを上げると、中ではアンリがマーカーを瞬間の動き出しで外し、足で合わせたのであった。



    この試合は1つのアーセナルの形を見る上で、非常に重要なものであったと見る。
    引いた相手に対してのアーセナルの攻撃がどういったメカニズムを主体とし攻略にあたっているかというのがそれだ。
    中に厚みを持たせる選手、攻撃に幅やゆとりを持たせる選手、そして、縦の飛び出しでバックラインを揺さぶる選手、こういった選手たちの組み合わせに関してはプレミアリーグ随一の幅広さをいまだ誇っていると言っても良いだろう。
    最後は試合を完全に制圧し、その圧力を完全に生かしきった勝利であり、「まぐれ」も「奇跡」もない。
    十分に布石の多い、重要なゲームであったと言えるだろう。

    さて、このアーセナルに対するミランは、上記に見たアーセナルディフェンスの弱点を突けるのだろうか。
    そして、こうしたバリエーション豊かなアーセナルの攻撃を止めることができるのか。
    ミラニスタの立場であるので、どうしてもこうした観点から見ることが多かったが結局答えはわからない。
    2月15日(水曜日)、きっと好ゲームになるに違いない両チームの命運を握る重要な一戦が待ち遠しい。



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