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    2011-2012 セリエA第21節ラツィオvsACミラン~システム変更も実らない完璧志向による個の埋没~

    ACミランがマッシミリアーノ・アッレグリ監督を招聘してからというものの、一向に埋めることができない弱点がある。
    それは「2011-2012 セリエA第18節ACミランvsインテルミラノ(ミラノデルビー)レビュー ~1年経っても埋めれないアッレグリの1つの弱点~」にも書いたことの通りである。
    ここでそれを簡略化してまとめると「攻守に渡り基本戦術は成熟していくものの、戦術に没頭するあまり個の力が埋没する」というものであった。
    その弱点が昨日のラツィオvsACミランでも「また」露呈したので、振り返ってみたいと思う。

    さて、その振り返りの前に前提として、この日のスタメンを確認していこう。
    2011-2012 セリエA第20節 ラツィオvsACミラン スタメン・選手交代

    フォーメーションは以下の通り。
    2011-2012 セリエA第20節 ラツィオvsACミラン スタメン・フォーメーション
    ラツィオ:4-2-3-1(→4-4-1-1)
    ACミラン:4-3-2-1

    ●引いてきっちりスペースを消すラツィオ、持ってるはずが持たされていくミラン
    さて、ゲームは試合開始早々から1つの色を持ち始める。
    「いつも通りゲームを支配しにいくミランと、きっちりと守備を固めるラツィオ」という構図である。
    アッレグリ監督がこの日は新たな戦術オプションである4-3-2-1を最初から使ったのは、ラツィオディフェンスの中央が固いことを見越してサイドで数的優位をフォーメーションの段階で作り上げたいという意図があったものと思われる。
    これに対し、レヤ監督は両サイドハーフをきっちり守備ブロック形成に参加させることでサイドのスペースを消すことを試み、これに成功する。
    こうなることでラツィオは4-2-3-1というフォーメーションで表現するよりも4-4-1-1と表現するに相応しい形になり、守備ブロックは固いが攻撃は手薄という印象を持ったかもしれないが、ローマデルビーの際と同様「割り切っていた」ように感じられる。
    そうすることで、ミランはボールは持てるが崩せない。
    そして、結局はボールを持たされているという様相がはっきりしていった。

    ●ポゼッションしているはずが、持たされ、前掛かりになり、それでも崩せないメカニズム
    アッレグリ就任以降のミランはポゼッションしながらも崩せないと前掛かりになる。
    しかもただただ全体のポジションが押しあがるだけで、前線の選手はバックラインとの駆け引きに明け暮れる。
    こうなると守る方は守り易い。
    ただただ攻撃側の圧力を受けて全体的にラインをさげ、2ラインの間隔を狭めながらスペースを消せばよい。
    サイドのブロックまできっちり作られた場合、攻撃側がやるべきことは数少ないが、前線の選手が下がる動きなどをしてディフェンスラインの選手を引き出し、スペースを作る動きなどをしなければならない。
    つまりそこで「前後のギャップを作り出す」わけである。
    しかし、それがないと本格的に組織的に崩すことは不可能に近づく。
    そして、この弊害はもう1つの部分に影響を及ぼす。

    ●チーム全体で崩すことを考えすぎるあまりに埋没した個の力
    チーム全体がしっかりと低い位置で守備ブロックを形成した相手を前にするとスペースは少ないことは説明したが、アッレグリはさらにそこに追い打ちをかける。
    崩せていない状況を打開するための「システム変更」である。
    この試合、アッレグリは得点できないと見ると選手交代に打って出る。
    エル・シャーラウィに代えてセードルフを、アンブロジーニに代えてエマヌエルソンを投入する。
    ここで同時に4-3-1-2にフォーメーションが変わるわけだが、これが全く機能しない。
    完全に引いてブロックを形成した相手のセンターにそもそも死角などないのにもかかわらず、センターに基準点がある4-3-1-2をぶつけたところで特に効果はない。
    そして、両チームの選手が入り乱れるセンターで個の力は発揮されにくくなってしまう。
    さらに、相手はより「中を固めれば良い」だけとなり、相手のサイドハーフに攻撃の余地を作ることになるからである。

    ●高い集中力の御褒美の当然の結果
    その結果がエルナネスの先制点となる。
    そして皮肉なことに個の力をマジマジと見せつけられるゴールであった。
    先制された時点で万事休すであったが、アッレグリはファン・ボメルに代えてマキシ・ロペスを投入する。
    「また中を固めただけ」な上、クラレンス・セードルフを底に置いた時点でカウンターに脆いことは目に見えていた。
    ロッキの追加点である。
    ラツィオの高い集中力と忍耐力に御褒美が与えられた。

    ●アッレグリの往生際の悪さとラツィオの忍耐力
    アッレグリはどうしても「組織で守り、組織で崩したい」らしい。
    それは選手交代に表れている。
    0-0の状況だったあの局面は「組織では互角」の勝負なわけである。
    となると、試みられるべきはシステム変更で組織的な攻め方を変更するのではなく、この試合を通じて低調なパフォーマンスに終始したロビーニョに代えて、エマヌエルソンを投入し個の力を修正することではなかっただろうか。
    エマヌエルソンがサイドでこそ生きることはアッレグリ自身も先日の会見で認めている。
    しかし、そうした個の修正ではなく、戦術に修正を施した彼の完璧を求めすぎる往生際の悪さこそ、今後の最大の課題なのかもしれない。
    そうした意味では今回のラツィオの戦い振りは称賛に値するし、それよりも良い教科書なのかもしれない。
    彼らはゲームの支配までも捨て、「割り切って」きっちりと守ることを主眼とし、それを高い集中力を持続させる忍耐力を見せながら最後は個の力をも生かし、最大の結果を得たのだから。
    今後もラツィオはビッグゲームにおいてこの姿勢を貫き、自らも上位争いを繰り広げながら今後のスクデット争いを盛り上げてくれるだろう。

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    この記事へのコメント

    マッケンジー : 2012/02/04 (土) 01:37:38

    個が埋没してるんじゃなくて、個に依存しすぎているのではないでしょうか?
    ギャップを作る動きはイブラがやっていましたが、本当にやっているのは彼だけ。
    他の選手にラツィオの守備を崩すためにこうしよう!なんて意志は全く感じられませんでした。

    要はイブラに甘えてるんだと思います。
    彼は本当にスーパーな選手なので、彼に任せておけばなんとかなるみたいな感じで。
    昨季のミランはイブラをある程度ゴール前に専念させてたので、早くあの時のバランスを取り戻すことを願います。

    ロッソネリ : 2012/02/04 (土) 03:03:41

    >>マッケンジーさん

    コメントありがとうございます!!

    なるほど。
    個に依存し過ぎて個を生かせていないというやつでしょうか。
    ピッチ内の選手の立場から見るとそれはあると思います。
    その視点でももう1度見ていこうと思います。
    僕の観点はどちらかというとアッレグリの立場から見たものでした。

    ただ、昨季のバランスを取り戻すのは不可能じゃないかと思っています。
    中盤に高精度のパスを捌ける選手がセードルフとアクイラーニしかいませんし、前者はビッグゲームしか本領発揮せず、後者は怪我ですから。。。

    洋平 : 2012/02/06 (月) 01:17:58

    はじめまして^^いつもニコ生で楽しく観戦させていただいてます^^ラツィオ戦の私の印象はイブラの勤続疲労が垣間見えたような気がします。私もミランが持たされているように感じました。時間がたつにつれてですが。
    今のミランだけでなく昔からミランには強大な「個」の力が存在していますがこの試合のように個が埋没してしまうのはある意味必然ではないでしょうか?なぜならアッレグリ監督としても組織で戦う自分の「理想」と個の力を前面に押し出す「現実」とのジレンマがあると思いますから・・・理想のフットボールと現実的なフットボールの妥協点をみつけだしてチームが安定することを祈るばかりです。
    これから強豪との連戦が続きますがロッソさんの放送楽しみにしています。つたない文章で言いたいことも上手く伝えられず本当にすいませんでした。

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