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    2011-2012 UEFACLGL ACミランvsバルセロナ レビュー ~マッシミリアーノ・アッレグリの2つの顔 後編~

    さて、前回のブログでは9月に行われたカンプ・ノウでのバルセロナvsACミランのレビューを行ったわけだが、お互いに出場可能選手状況が変わった11月23日のサンシーロでのACミランvsバルセロナではまた違ったスペクタクルな試合が見られた。
    そこにあったのは、アッレグリが初めて見せた攻撃的なサッカーであった。

    さて、ミランの出場不可選手はアントニオ・カッサーノ、ジェンナーロ・イヴァン・ガットゥーソ(ともに怪我で長期離脱中)であったのに対し、バルセロナの出場不可選手はアンドレス・イニエスタ、アドリアーノ(ともに怪我で離脱中)、ダニエウ・アウヴェス(累積警告による出場停止)であった。

    そんな中、マッシミリアーノ・アッレグリ、ペップ・グアルディオラ両監督の選んだ先発メンバー、ベンチは以下の通り。
    2011.11.23 CLGL ACミランvsバルセロナ スタメン・ベンチ
    フォーメーションは以下の通り。
    2011.11.23 CLGL ACミランvsバルセロナ スタメンフォーメーション
    ACミラン:4-3-1-2
    バルセロナ:3-1-3-3

    この試合では、ミランは戦い方を大きく変えた。
    逆にバルサは出場できる選手の状況から少々の修正を加えただけである。
    ただ、3バックの場合はCBの真ん中で起用されるべきブスケッツがピボーテ(中盤の底)で起用された点は苦し紛れであったかもしれない。


    さて、ミランの戦い方は試合序盤から見られた。
    それが高いバックラインの設定と前線からのハイプレスである。
    1試合目と比べると真逆の戦術変更であった。
    これにより「いつもより」守備的な選手の多いバルセロナはビルドアップで苦労することとなる。
    実際、試合序盤はバルセロナのポゼッションはさほど高くない。
    この中盤でのディフェンスで輝きを放ったのは、奇しくもバルセロナに過去在籍経験のあるマルク・ファン・ボメルである。
    中盤でボールを奪取したこのインテルディトーレは明確な意図のある前線へのビルドアップを行う。
    それがサイドに張ったロビーニョorケヴィン・プリンス・ボアテングへのフィードである。
    純粋なサイドの選手が少ないバルサの3-1-3-3システムの弱点、手薄になったサイドのスペースにパスを配給し、突破、または溜めを作り、ポゼッションを保とうとしたわけである。
    このミランの狙いは成功する。
    前半早い段階ではバルセロナの攻撃を危なげはあるもののシャットダウンしながら互角の展開をキープしたのである。

    その均衡が破れたのは前半18分のことであった、セルドゥ・ケイタからのフィードを右サイドで頑張ってキープしたチアゴ・アルカンタラからセスク、メッシと繋いで、ファーサイドに走りこんだセルドゥ・ケイタへ。
    ケイタが中に折り返し、これがファン・ボメルの足に当たってゴールが入ってしまい、これがバルセロナの先制点となってしまったのである。

    しかし、これでバルセロナの展開となったかと思われた前半19分、左サイドでキープしたイブラヒモビッチからのクロスが流れてファーサイドのプリンス・ボアテングへ。
    ボアテングが折り返したボールはゴール前2mでフリーのロビーニョへ。
    これをロビーニョがまさかの枠外へ。
    残念ながらいつもの外しっぷりを見せて、いつも通り「ダメーニョ(※1)」と化したのであった^^

    ※1 「ダメーニョ」の意味:ドリブル、パス、ポジショニングは良く、守備面でも貢献するが、シュートだけが「ダメーニョ」の意

    そしてすかさず前半20分、アクイラーニからの左へのフィードを受けたセードルフが中に走りこむイブラヒモビッチへ。
    これを落ち着いてイブラヒモビッチがゴールに流し込みミランは同点に成功する。
    雰囲気が悪くなり兼ねない状況下でエースとしての落ち着きを見せるゴールでミランは再び試合の主導権を掴み直す。

    しかし、前半23分、再び試合が動く。
    シャビのパスを右サイドでフリーで受けたセスクの折り返しにメッシが反応する。
    しかし、これはアバテの足にあたりながらクロスバーを叩き、バルサは決めきれない。

    残念だったのが前半29分のことである。
    中盤からのパス繋ぎでペナルティエリア内に飛び込んだシャビが倒れる。
    これにシュタルク主審がPKの判定を下し、さらに抗議をしたネスタにイエローカードが出たのである。
    このシーンの写真がこれ。
    2011.11.23 CLGL ACミランvsバルセロナ シャビのダイブ
    このシーンから見ても明らかなダイブを示しているシーンで与えられたPKをやり直しがあったあげくメッシが決め、バルセロナが勝ち越しに成功する。

    これで勢いに乗ったバルセロナは前半33分、カウンターからビジャがペナルティエリア内左サイドでフリーでボールを受けてシュートするも、アッビアーティの素晴らしいセーブで得点にならない。

    しかし、この得点でポゼッションのバルサ、カウンターのミランの構図が出来上がったことは特筆すべきことであろう。


    後半に入ったミランは開始から1つの修正が加えられる。
    先ほどの大チャンスを外したロビーニョに代えて怪我明けのアレッシャンドレ・パトが投入されたのである。
    引き続き、サイドを起点にパトの飛び出しという更なる武器を使って攻撃せよという意思がはっきり見られる交代だったと言えるだろう。

    後半は中盤での奪い合い、バルサは裏へのボールを出し、飛び出しからチャンスを作るも決めきれず、更にはミランのディフェンスラインを押し下げようと試みるも上手くいかない。
    そんな中迎えた後半9分のことだった。
    前線でこぼれたボールを拾ったケヴィン・プリンス・ボアテングが右サイドで左足の踵でアビダルとの1対1を制し、右足でニアサイドをぶち抜くシュートで同点に再度同点に追いつく。
    この高い身体能力を生かしたファインゴールにはサンシーロのボルテージも最高潮に。

    その後は裏を狙うバルサ、パトの裏への飛び出しとイブラヒモビッチのポストプレーを生かした攻撃という構図になりかけた後半13分のことだった。
    ミラニスタに落胆の時間がやってくる。
    中盤で、セスク、メッシと繋ぎ、ネスタがメッシの対応に出て出来たスペースに走りこんだシャビがそのまま走り勝ち、その狭いパスコースをメッシが通したスルーパスを受けてゴール左隅へ。
    ミランのディフェンスにミスらしいミスはない中で得点を奪ったこの一連の攻撃はさすがバルサと言うべきゴールであった。

    そして、試合は決する。
    後半20分のことであった。
    ミランはネスタが内閉鎖筋という股関節付近の筋肉を負傷し、ダニエレ・ボネーラと交代する。
    これによって、安定的に効果的なバックラインからのビルドアップがなくなってしまい、万事休すであった。

    試合最後にはミランは疲れからかアフターでのファールが増え、ギアを落としながらポゼッションを高めたバルセロナも同様であった。



    【まとめ】
    今回アッレグリが挑戦したのは、ファン・ボメルに守備を任せ、その左右に2人のレジスタを置くことで、量のトランジションサッカーではなく、質のトランジションサッカーでポゼッション高めたいのバルセロナの3バックシステムの弱点であるサイドを突くサッカーであった。
    これはかなりのところまで成功した。
    ただし、この試合ではバルセロナはサイドバックのダニエウ・アウヴェスを出場停止で欠いたことも大きく影響したとも言える。
    しかし、これほどまでに互角に戦えたこと、そして、シャビの「上手な倒れ方」がなければ違う結果になったことを考えると上出来のものであったと胸を張っても良いだろう。

    この2試合で見せたミランのサッカーはバルセロナに対峙する際の戦い方として、1試合目のものは他チームに真似できるものではないが、2試合目のものは真似できるものである。
    大事なのは「効果的な守備」と「効果的なトランジション」である。
    バルセロナにバルセロナと同じポゼッションで対抗するのは難しい。
    しかし、別の戦い方で、別のサッカーで、あるいは「アンチフットボール」では可能となる。
    敗者のファンとして言うならば、クリーンなサッカーで挑み、内容でも結果でもバルサに迫ったミランの戦い方は悪くなかった。
    「また見たい」と思う、スペクタクルな2試合になったのではないだろうか。

    ミラニスタとしてこれだけは言いたい。
    今日の敗戦は必ず次につながる!
    1度の敗戦を勝利に繋げてきたのが我々ミランではないか!
    王者バルサよ!決勝トーナメントでまた会おう!



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