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    2011-2012 UEFACLGL バルセロナvsACミラン レビュー ~マッシミリアーノ・アッレグリの2つの顔 前編~

    FCバルセロナ、前年のUEFAチャンピオンズリーグの覇者であり、誰もが世界一と言うこのチームとACミランはグループリーグで戦うこととなった。

    まず、緒戦はバルセロナのホーム、カンプ・ノウ。
    両チームのスタメン・ベンチは以下であった。
    2011.9.14 CLGL バルセロナvsACミラン スタメン
    フォーメーションは以下の通り。
    2011.9.14 CLGL バルセロナvsACミラン スタメンフォーメーション
    バルセロナ:4-3-3(0トップ2シャドー)
    ACミラン:4-3-1-2

    ベンチメンバーは以下である。
    2011.9.14 CLGL バルセロナvsACミラン ベンチ

    この日のミランの戦い方は対バルサの1つ目の形を打ち出す。
    それが極めて低いバックラインの設定である。
    この点については後述で詳細を書く。

    さて、この試合を分析する前にミラニスタにとっては嬉しい1つの事件が起こる。
    それが前半開始早々24秒のパトのゴールである。
    中盤での混戦からパスを受けたパトはセルドゥ・ケイタとマスチェラーノの間を刺す大きな蹴りだしの突破からビクトール・バルデスとの1対1に持ち込み、これを難なくバルサゴールに叩きこんだのである。
    これによって気持ちに余裕ができたミランはアッレグリの戦術を実行に移すこととなる。

    それが極めて低いバックラインの設定である。
    図をまず見ていただこう。
    2011.9.14 CLGL バルセロナvsACミラン ミランの守備
    どんな場所であれバルサがボールを奪取した瞬間にバックラインが下がり、中盤のラインも下がる。
    これにより可能となるのはバルサの1つの形である、2シャドーの選手の飛び出しと中盤の選手の飛び出しのためのスペースを完全に消したのである。
    さらにプレッシングは選手へのアタックではなく、前へのパスコースを切るという手法を用いる。
    この戦術はバルサにポゼッションを与えることを意味する。
    そして、このバルサの1つの武器を封じ込める守備戦術はなかなか簡単にできるわけではない。
    パスコースを消すことは、即ち、リオメル・メッシの個人技との対決が増えるからである。
    現段階においてメッシを止めることができるDFは2人しかいない。
    それが、ミランのCBコンビ、アレッサンドロ・ネスタとチアゴ・シウヴァである。
    サッカー界屈指のこのCBコンビならメッシを止めることができる、そう考えた末、アッレグリはこの守備戦術で戦った。
    そして、それは的中する。
    極めて細かいボールタッチで、緩急を付きながら高速かつ精密なドリブルを繰り出すメッシに対し、特にアレッサンドロ・ネスタの鋭く正確な読みでドリブルをなんとか止めたのである。
    ネスタvsメッシ
    このミランの戦術をを熱狂的なバルセロニスタで知られるヘスス・スアレス氏はワールドサッカーダイジェスト紙上で「旧石器時代に戻ったかのようなカテナチオ」と称しているがこれは的を射ている。
    そして、これを可能にしたのはミランだからであり、ミランでしか不可能であると思われる。

    実際、アタッキングサードまでボールを運んだバルサには選択肢が限られる。
    右サイドに張ったダニエウ・アウヴェスへのパスか、メッシに預けて個人技でこじ開ける方法しかなくなる。
    前半の30分に入った段階で、既にこの一戦はメッシvsミランのディフェンスという様相を呈する。

    ここで「優等生」言われるバルサの選手たちについて一言申し上げるとするならば、決してそんなことはないということである。
    前半33分、右サイドのビジャからダニエウ・アウヴェスに裏へのパスを出したものの、ここはアレッサンドロ・ネスタが先回りし、ゴールラインを割らせたシーンのことである。
    ダニエウ・アウヴェスは押し倒されたネスタに手を差し伸べるかと思いきや、思い切り罵声を浴びせたのである。
    この一連のシーンでネスタは何一つ反則らしきことをしていない。

    そして、このシーンの最中にミランはケヴィン・プリンス・ボアテングが怪我で交代し、マッシモ・アンブロジーニが投入される。
    この交代により、ミランの守勢が決定的となったのである。
    これにより、クラレンス・セードルフがトレクァルティスタに、そして、マッシモ・アンブロジーニがセードルフのいた左のインサイドハーフに入っている。

    話を元に戻すと、前半36分のことである。
    ミランの中盤のラインの前でボールを受けたメッシは、ドリブルでアントニオ・ノチェリーノを抜き、アバテとネスタの間のスペースをかいくぐって見せたのである。
    そして、中に折り返したボールは弱かったせいもあり、チアゴ・シウヴァが届かず、ペドロが押しこむ。
    これでバルサは同点に追いついて見せたのである。

    そして、バルセロナにも不幸が起こる。
    アンドレス・イニエスタの負傷交代である。
    代わって入ったのは、フランセスク・ファブレガスであった。

    さて、迎えた後半50分、バルサに好機が訪れる。
    ショートコーナーからパスを繋ぎ、ブスケッツにボールが渡ったところで、FWの位置からディフェンス参加したカッサーノがこれを倒してしまったのである。
    そのFK、蹴るのはダビド・ビジャ。
    これをゴール左隅に決め、バルサは逆転に成功するのである。

    そして、このゲームを象徴するシーンが訪れる。
    後半20分、2ラインの間でボールを受けたメッシがすかさずドリブルを仕掛ける。
    これに対応するのは、アレッサンドロ・ネスタ。
    この対戦はメッシがシュートモーションに入ったところで、きれいにボールにネスタがタックルを入れ、ゴールラインを割ったのである。
    (上の写真がそのときの模様。)
    メッシはピッチを叩いて悔しがったが、表情にはセーフティーな「勝負」があったことからの笑みが見られた。
    さて、この「勝負」にはすぐに続きがやってきて、次の対戦ではネスタにイエローカードが提示された。
    さらにその後も「勝負」は続くが、この世界最高のプレーヤーと世界最高のディフェンダーの勝負こそスペクタクルな勝負であったと言えるだろう。
    クリーンな勝負であったことも好印象であった。

    さて、試合はその後もバルセロナペースで進んだ。
    ポゼッションするバルセロナ、ミランは跳ね返すので精いっぱいだった。
    攻撃はパトの裏への飛び出しを狙ったシンプルなものであったが、そこまでが繋がらず、苦戦していた。

    しかし、試合も終了しようかという後半ロスタイム1分を越えた時間、右サイドの繋ぎからノチェリーノが最後まで踏ん張り、コーナーキックを獲得する。
    キッカーはクラレンス・セードルフ。
    それに合わせたのが、この日、ネスタとともにバックラインを支えたチアゴ・シウヴァであった。
    実に後半ロスタイムも1分50秒を越えた時のことであった。

    そして、ロスタイムは3分51秒で試合を終えたのである。



    [まとめ]
    この日はバルサの攻撃を個人技頼みにするアッレグリの戦術があった。
    それはイタリアの伝統的な守備を重視したソリッドな出来であった。
    対してバルサは、「やはりメッシはすごい」の一言に尽きる。
    守備を固くしたミランの組織的ディフェンスを打ち破るその個人技にはその言葉しか見つからない。

    こうして、バルセロナの日本語公式HPによると「世界最強のバルセロナ」と「イタリアの古豪ACミラン」の対決は第2戦へと舞台を移すのであった。



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    この記事へのコメント

    6ごう : 2011/12/01 (木) 20:49:37

    ブログ更新お疲れ様です。なるほど幾分前の試合であんまり覚えていませんでしたが、パトのゴールシーンは非常に驚きました。ロッソさんによれば、この1点目の後、ミランは「極めて低いバックラインの設定」を実行に移したとありますが、これは別に①先制点が奪えなくても、同様の戦術を敷いたのでしょうか?当然バルサ相手にポゼッション勝負を挑むとは思えないので(素人でもわかります!!)、守備的にならざるをえないとは思うのですが、上記のような守備体制を敷いた場合、ミランの得点パターンも必然的に限られてきますよね?奇跡的に…とはいいませんが、ロスタイムのゴールまでほぼ攻撃できなかったことを考えると、ミランはこの試合、パトのゴールがなければほぼ勝利が難しい状況に置かれてしまうのではなかったのでしょうか?つまり勝つ気はあまりなかったのでしょうか?②アウエー戦ということを加味しても、次戦のホームでの試合まで見越していたら、超守備的な布陣と同時に、ほかの戦術も試してみたらよかったのでは?と、超シロートながら思いました。加えて、③もしイブラがスタメン出場していた場合、同じような戦術をとっていたのでしょうか?

    質問ばかりで申し訳ありませんm(__)mこの記事を読んで思ったのは、先日行われたサン・シーロでの試合で、ミランはさきに挙げた「極めて低いバックラインの設定」から、どのような戦術に変更して、あの「激戦」が生まれたのかが気になります。後編の投稿を首を長くして待っています。またおもしろい記事を期待しています。長文失礼しました。

    ロッソネリ : 2011/12/01 (木) 23:59:56

    >>6号さん

    いつもありがとうございます^^
    大事な質問ですね。
    番号に合わせて回答していきます。


    端的に言うと、先制点が奪えなくても同様の戦術を敷いたでしょう。
    あの日は先制点が取れなくてもグッと堪えて点を取らせず、パトの裏への飛び出しに得点を賭けるしかなかったというのが理由です。
    そして、それだけ無失点に抑える自信があったということだと思います。
    勝つつもりは「あわよくば」、負ける気はさらさらなかった、というのが本当のところだと思います。


    ①からもわかるかと思いますが、それに加えて、選手層がそれしか可能にさせなかったというのが大きかったと思います。
    途中からの大きな戦術変更ゲームバランスを崩すのはあのゲームの流れからすると冒険過ぎたことも理由としてあるでしょう。


    イブラがスタメンでも、変わらなかったでしょうね。
    中盤の出場可能選手状況からあの選択肢になったと思っています。

    通りすがりに : 2012/03/03 (土) 21:12:45

    内容に特に言いたいことは無いのですが一つだけ・・・
    >>熱狂的なバルセロニスタで知られるヘスス・スアレス氏
    これ間違ってます
    彼は出身地のガリシア州のチームであるデポルティーボ・ラコルーニャに深い愛情を注いでいる人物ですよ。彼は攻撃的なパスサッカーの信奉者なので誤解されてるのかもしれませんが・・・

    ロッソネリ : 2012/03/04 (日) 14:33:25

    >>通りすがりにさん

    ありがとうございます。
    その点に関しては既に指摘を受けておりました。
    そういえばデポルでしたね。
    最近デポルの話しないので・・・・・w

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