スポンサーサイト

    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。

    2011-2012 セリエA第10節インテルミラノvsユヴェントス(イタリアデルビー)レビュー ~セオリーに徹したインテル・ユーヴェの明暗~

    2011-2012 セリエA第10節 インテルミラノvsユヴェントス イタリアデルビー

    このブログでインテルミラノの流れは御覧頂いている。
    インテルはガスペリーニを解任し、クラウディオ・ラニエリを監督に就任させた。

    逆にユヴェントスは今シーズンから指揮を執るアントニオ・コンテ監督のもと、チームは好調をキープしている。

    この両者の戦術について、今回はある程度詳しく述べながら、試合のレビューを進めていこうと思う。

    ●クラウディオ・ラニエリ監督のインテルミラノ
    タイプ的にガスペリーニ監督とは真逆に近い考えを持つ。
    適材を適所に配置し、とにかくプレーをしやすくする。
    また守備の選手は守備を、攻撃の選手は攻撃をするというはっきりとした攻守分断の考えに近い。
    先日のブログで途中就任での成績の良さの話はしましたが、この「適材を適所に配置し、とにかくプレーをしやすくする」スタイルが選手のプレーを向上させるのが大きいだろう。

    ○アントニオ・コンテ監督のユヴェントス
    このユヴェントスについては私のTHE INTERVIEWS「カルチョ解体インタビュー」にて、「今季はピルロがミランからユベントスへ移籍しましたが、そのユベントスのフォーメーションの4-2-4とは主にどのような感じなのでしょうか?」というご質問を頂いたので、それへの返答を編集したものををまず御覧頂きたい。

    返答
    アンドレア・ピルロは僕の大好きな選手です。
    中盤での安定したボールキープは相手選手のプレッシングを「往なす」というやり方で、これによる安定感はとてつもなく大きい。
    そして、キープしたボールをピンポイントで効果的なポジションに展開することができる
    これは広い視野豊富な戦術知識、さらに長短のパスを精確に送り込む技術に基づいています。
    さらに前線までフォローで上がったときの決定的なパス。
    一瞬のタイミングを読む高い判断力とそれを現実にする高い技術に裏打ちされています。
    さらに言うと、ミラン時代は隣に「リンギオ・ガットゥーソ」がいることでそう見えてしまったのか、「守備がうまくない」と言われてきましたが、それは全くの誤解で、守備も上手い選手なのです。
    運動量をかけて激しくボールを奪いに行くインコントリスタと違い、ピルロは高い戦術理解度と状況判断力を基に的確に相手のパスコースに入り、パスカットをする能力が非常に高いのです。

    このピルロの良さが表現されまくっている現状に、ミラニスタながら嬉しい気持ちがあります。

    さて、ユヴェントスの新監督、アントニオ・コンテの4-2-4というフォーメーションがどのようなものなのかという質問に答えましょう。
    まずここで大事なのは「数的同数」or「数的優位」という考え方です。

    攻撃時、まずボールを奪った際にはウィングの選手が前に張り出します。
    こうすることで相手の4バックとユヴェントスの4トップの選手が「数的同数」になります。
    この際、中盤が手薄になりますが、ここで生きるのがピルロのキープ力とその相棒(主にマルキージオorビダル)の運動量です。
    バックラインで奪った場合、ボールはピルロを経由します。
    そのピルロにボールが渡ったところで、サイドバックのオーバーラップが開始され、ピルロが展開する頃には「2-4-4」のような状況が出来上がります。
    こうするとピルロには複数の選択肢が出来上がります。
    ①CF2人の異なる前後の動きでギャップができた裏へのボール。
    ②CFの1人のポストプレーへの楔のパス。
    ③相手ディフェンスが手薄になっているサイドへの展開。
    これだけあればピルロには十分です。
    ①の選択肢を選んだ場合はそのままチャンスです。
    ②や③の場合はそのパスを出したところから中盤、サイドバックの選手の位置がさらに高くなり、サイドが「数的優位」になればサイドで溜めて中の選手を引きずり出すことで中の「数的優位」を作って、中で細かいパス交換を繰り返して突破する形がよく使われてます。
    その際、大事になってくるのが、「CFが飛び出せなくても、ピルロの相棒が飛び出すことができる」ということでしょう。
    マルキージオやビダルという選手は攻撃的と言われますが、特に飛び出しがうまいことは特筆しておくべきでしょう。
    CF2人が相手のCB2人と「数的同数」なことで、おとりになり、中盤の選手が飛び込むことができます。
    これも今シーズンのユヴェントスの武器でしょう。
    まとめるとフォーメーションの時点で「数的同数」を作り選手の運動量で「数的優位」を作り出すというのが、アントニオ・コンテ監督の戦術の肝だということです。

    守備面でも、肝は同様です。
    まず、相手のバックライン4人に対して、4トップが相対する選手にプレッシングをかけます。
    ここを掻い潜られた場合、相手中盤の選手には中盤の2人があたります。
    サイドに展開された場合、サイドハーフの選手にはサイドバックがプレスをかけますが、ウィングもプレッシングに戻り、「挟み込む」ようにします。
    相手のサイドバックにボールが戻った場合は、これの繰り返しです。
    中は通常のゾーンプレスを掛けるようにしていますね。
    バックラインは下げすぎず、コンパクトにすることはかなり意識されています。
    その過程で守りの局面のフォーメーションは4-4-2に戻っています。

    こうしたメカニズムがユヴェントスにしっかり根付いたのが現状です。
    問題は、サイドの選手の負担が大きいことでしょうか。
    そこにはある程度リスクマネージメントが行われていて、ウィングの選手は多い目にいます。
    クラシッチ、ペペ、ジャッケリーニ、エリア、エスティカリビアですね。
    問題はサイドバックの数ですね。
    怪我人が出ないことを祈りたい。

    こんなところでしょうか。
    とにかくこの戦術を早期に徹底させることに成功したアントニオ・コンテ監督の手腕は非常に素晴らしいですね。
    ユヴェントスに関してはブログに書くつもりなので、この質問と同様のことを書くと思います^^
    (このご質問を頂いた方には非常に有意義なご質問を頂いたことを感謝いたします。)

    以上で、アントニオ・コンテ監督の概念的な戦術眼は明示できたと思うので、実際の試合レビューに移りたいと思う。



    ○本題~試合レビュー概念篇~

    まずはスタメンを御覧頂こう。
    2011-2012 セリエA第9節インテルミラノvsユヴェントス スタメン
    システム
    インテルミラノ:4-3-1-2
    ユヴェントス:4-3-3

    インテルはラニエリ監督の考えがよく出ているフォーメーションであろう。
    ラニエリ監督就任後すぐは4-4-2or4-3-1-2のどっちともつかずのフォーメーションを利用してきたが、ウェズレイ・スナイデルが怪我から復帰後ははっきりと4-3-1-2を使用している。
    これはインテルで今最もアンタッチャブルな存在がスナイデルであり、スナイデルはトレクァルティスタが最も適所であることに起因している。
    さらに、インテルにはセンターハーフ・ボランチの選手が多いことも要因としてあげられる。
    現在は怪我人続出により選手が枯渇しているように感じられるかもしれないが、怪我さえなければ有り余るほどのセンターハーフの選手が在籍していることはお分かりいただけるであろう。
    (インテルのセンターハーフ・ボランチ使用可能選手:ハビエル・サネッティ、エステバン・カンビアッソ、デヤン・スタンコヴィッチ、ティアゴ・モッタ、アンドレア・ポーリ、ジョエル・チュクマ・オビ、リッキー・アルバレス、ロレンツォ・クリゼティグ、サリー・ムンタリ、クリスティアン・キヴのマルチを含め計10名)
    少なくとも冬の移籍期間までは、インテル、いや、ラニエリにとって最も大事な選手は間違いなくウェズレイ・スナイデルであり、スナイデルこそラニエリの戦術の肝となる。
    なぜなら試合を個人の力で打開できるのは、サミュエル・エトーが移籍した今、ウェズレイ・スナイデル以外にいないからである。
    常にスナイデルがプレーしやすい環境を作り、その周りを適材適所を見ながら時にはマルチを使いながら埋めていく。
    怪我さえなければインテルではマルチを使う必要はまったくない。
    ただ、チーム内のロッカールームを牛耳るアルゼンチン人達への配慮は欠かせない。
    彼らの意見はそのままマッシモ・モラッティ会長に伝わるからである。

    さて、一方のユヴェントスはアントニオ・コンテ監督のセオリー通りの構成となっている。
    まず、インテルが4-3-1-2を使用するという容易な予測から中盤を3枚にしている。
    これで、中盤の枚数は同数となっており、後は豊富な運動量を持つビダル、マルキージオといった選手たちがその能力を生かすだけで十分対応できる状況を作る。
    さらにそもそも放出候補に挙がっていたファビオ・グロッソだけでなく、期待のデ・チェリエも運動量や守備面で納得いかない左サイドバックにキエッリーニを起用し、良い印象を残しているアンドレア・バルザリとレオナルド・ボヌッチをセンターバックで組ませるバックラインの構成が定番化している。
    さらに、ウィングには運動量で高評価を受けているペペは固定されているが、期待のジャッケリーニは怪我で離脱中、運動量・守備面でコンテ監督の評価を下げたクラシッチがベンチからも消え、マルセロ・エスティガリビアとエライロ・エリアはセリエAとユヴェントス自体への順応がまだ完全ではない2人をベンチスタートとして、CFに固定されつつあったミルコ・ヴチニッチが最近3トップ時には左のウィングに配されている。

    両者はっきりとした形・セオリーをシステムにきっちり当てはめたスタメンは好ゲームを予感させるものであった。
    次に主に意識されていた動き・パス。
    2011-2012 セリエA第9節インテルミラノvsユヴェントス スタメン主な動き
    実線:選手の動き
    点線:パス

    両チームの攻撃に目を向けると以下のことが言える。

    インテルは至極単純な攻めである。
    強力なスナイデルの個の力を最大限に出しながら、これもまた強力な右サイドバック、マイコンのオーバーラップをも心行くまで活用するという攻めのスタイル。
    また、現在インサイドハーフで起用しているサネッティ、オビが前者は本職がサイドバック、後者の本職がサイドハーフであることもあり、この2人が攻撃時にサイドに流れるサイド攻撃を重視している点も見逃せないだろう。
    この辺りは攻撃に大きな決まりごとはなく、選手の個性を最大限に生かすことだけを考えているラニエリのチームらしい形になっている。
    こうした形はスタッツにも表れており、試合通してのドリブル数・クロス数がユヴェントスが18・11であるのに対し、インテルは29・31を記録している。
    2011-2012 セリエA第9節インテルミラノvsユヴェントス スタッツ


    ユヴェントスの組織は非常に複雑のように見えて明確である。
    ビルドアップの大半をピルロを経由した形にし、この世界最高のレジスタがボールを保持している間に他の選手が豊富な運動量を生かして前線での数的優位を作るスタイルは量・質ともに世界トップレベルに達しつつある。
    そして、そのピルロも前線へのビルドアップやサイドへの展開後、直ちにフィニッシュのパスを出すべく、高いポジションまで自ら上がっていく。
    これはスタッツにも表れており、ユヴェントスのパス出しの数で最も多いのはやはりピルロの79である。
    対するインテルの最も多いパス出しはスナイデルからのものであり、数は51となっている。
    ここで注目していただきたいのはその数だけでなく成功率である。
    2011-2012 セリエA第9節インテルミラノvsユヴェントス 個人スタッツ
    こうすることで後詰に安心感を持たせながら、ピルロを経由したり、せずとも単純なクロスだけではなく、センターでの細かいパス回しで相手ディフェンスラインを崩してしまう。
    この際、非常に重要な役割を果たしているのが、ユヴェントスの次のバンディエラ、クラウディオ・マルキージオである。
    もともとテクニックに優れ、トレクァルティスタでも起用可能なマルチローラーであるマルキージオは本職のセンターハーフでありながら、得点力も高く、非常に重要な選手となっている。

    次にインテル守備面を見てみよう。(ユヴェントスの守り方は上のインタビュー回答で解説済み)

    ラニエリ監督はこの試合、守備の修正・対応を各1つずつ行っている。
    まず、修正はグッと堪えることができず、ズルズルと下がっていくバックラインに耐えることを要求している。
    これまでインテルは試合の流れが上手くいかなければいかないほど前掛かかりになり、中盤の守備の戻り運動量が落ちていくにつれ悪くなると、耐えきれず下がってしまうバックラインとの中盤との2ラインがごっそり空き、そこを突かれる形で失点を繰り返してきていた(※1で詳しく詳説)。
    この点を修正したのは大きな成長といえる。

    ※1
    2011-2012シーズンセリエA第7節カターニャvsインテルミラノの試合で典型的なシーンがあるのでそれを図とともに御覧頂こう。
    まず、1失点目。
    インテルは左サイドを攻めていたが奪われてしまう。
    カターニャは右サイドを手数を少なく前線に充てたシーン。
    2011-2012 セリエA第7節 カターニャvsインテルミラノ 1失点目①
    インテルは前線からのプレスをかけていたことはあるが、それにしてもボールサイドと逆の右サイドの選手の戻りが遅くなってしまい、御覧の通りバックラインと中盤のラインが崩れている。
    そして、この前線へのボールポストで上手くつながれた直後のシーン。
    2011-2012 セリエA第7節 カターニャvsインテルミラノ 1失点目②
    ここでも前にぽっかりと空いたスペースをドリブルでそのまま突かれ、ラストパスのシーンへと移る。
    2011-2012 セリエA第7節 カターニャvsインテルミラノ 1失点目③
    このシーンではなかなかボールが奪えないことに耐えきれず、ディフェンスの選手が全員ボールホルダーウォッチャーになっており、両サイドに開いたカターニャの選手の動きは補足しきれていない。
    このシーンは1つの典型的シーンであろう。
    さらに2失点目のPKのシーンもほぼ同様に空いた2ラインの間を突かれているので、御覧頂こう。
    まずカターニャが低い位置でのビルドアップをしようというタイミング。
    インテルの中盤は前からのプレスを仕掛けようとラインを押し上げている。
    なぜかボールと関係ないサイドのムンタリが既にポジションが高いにも関わらずカターニャの右サイドバックをブラインドにして放置してまでボールウォッチャーになっている点にもご注目いただきたい。
    2011-2012 セリエA第7節 カターニャvsインテルミラノ 2失点目①
    2011-2012 セリエA第7節 カターニャvsインテルミラノ 2失点目②
    カターニャはバックラインにボールを戻したところで押し上げを中止している。
    ここでスタンコビッチは危機を察知し、押し上げを中止しているが、対してムンタリは左サイドのディフェンスを放棄している。
    ここで押しあがったインテルに中盤を見て、カターニャはすかさず前線にビルドアップ。
    これにルシオが先に対応するも・・・・・
    2011-2012 セリエA第7節 カターニャvsインテルミラノ 2失点目③
    中盤のラインが上がっているにもかかわらず、バックラインの押し上げは為されておらず2ラインの間がガッポリ空いてしまっており、セカンドボールは容易にカターニャボールへ。
    セリエA第7節 カターニャvsインテルミラノ 2失点目④
    スペースのある前を向いた状態でボールを受けたカターニャの選手はドリブルを仕掛ける。
    ここでカターニャのゴンサロ・ベルジェッシオにマークに付き対応していたルシオがここでマークを放棄してドリブルに対応するか、マークを続行するか中途半端な対応を取る。
    これを見たベルジェッシオが裏へ一気に飛び出そうとする。
    2011-2012 セリエA第7節 カターニャvsインテルミラノ 2失点目⑤

    これにサムエルが危機察知能力を生かして対応しようとするも、ベルジェッシオはカステラッツィと1対1となり、倒された。


    次に、ユヴェントスのこれまでの試合の分析から、ユヴェントスの中央の厚みへの対応の必要性と左ウィングのヴチニッチが中にカットインへの対応の必要性を感じたラニエリはバックラインを中央に寄せる試みをした。
    このラニエリ監督の対応は間違ってはいなかったと考える。
    ここでの守備の考え方を見ていただこう。

    ○4バック3センターの守り方~中央の数的不利を作らないケース~

    2011-2012 セリエA第9節インテルミラノvsユヴェントス 守備①
    まず、中盤センターでピルロがボールを持ったとしよう。
    ここでピルロはフリーでボールを持っているのが極端な例なように見えるが、ピルロのマークに付くべき(実際モウリーニョならそうしただろう)スナイデルが全くと言ってマークについていなかったので、極端な例にはならない。
    この図を御覧頂いてもわかる通り、サイドバックを中に絞らせることで、サイドのスペースがかなり空く。
    このサイドを突かれることはこの場合仕方ないのであって、「サイドは捨てて、中で抑える」という共通意識のもと、サイドのディフェンスはサイドバックではなく、インサイドハーフが主に担当することになる。
    実際、サネッティはこの仕事をきっちり行っていた。
    しかし、問題は逆サイドのオビである。
    厳しいことを言うようであるが、オビは中途半端なポジショニングと中途半端な対応に終始し、サイドのディフェンスで有効となったシーンは1つもない。
    つまり、この時点で破綻していたのである。

    そして、この試合では更に難しいポイントがあった。
    それがヴチニッチのカットインであり、マイコンがマークに付ききれれば良いのだが、それが見込めない場合があるため、ルシオもそのヴチニッチに引きつけられることになるということであった。
    こうすると、ルシオ→ヴチニッチ、キヴ→マトリというマーク意識が完全に成立し、結局はユーヴェのマルキージオ、ビダルの飛び出しを可能にしてしまうのであった。
    特に、マトリ、ヴチニッチ、マルキージオの3人でルシオを幻惑したクロスの部分は特に重要であったと言えるだろう。
    2011-2012 セリエA第9節インテルミラノvsユヴェントス 守備②


    ○試合の流れ

    実際、前半12分の失点シーンも左サイドの対応をするはずのオビが中に入ってしまい、左が完全に空いたところにリヒトシュタイナーが飛び込み、長友のカバーリングが間に合わず、さらにキヴがマトリのマークを完全に外したところに、リヒトシュタイナーがグラウンダーのクロスを上げた。
    このクロスをマトリがダイレクトで合わせるもカステラッツィが弾くが、マトリにルシオが対応したため、フリーでセカンドボールを中に詰めたヴチニッチが決めたのが先制点となった。

    しかし、前半28分、序盤から飛ばしたインテルはコーナーキックをクリアされたところをサネッティ→スナイデル→マイコンとつなぎ、マイコンのニアをぶち抜くシュートで追いつく。

    さらに前半32分、右サイドのマイコンからのクロスにパッツィーニがヘッドで合わせるも、これは惜しくもクロスバーに弾かれる。

    対するユーヴェも負けてはいなかった。
    前半33分、中央のピルロからの右サイドで受けるのはリヒトシュタイナー。
    2011-2012 セリエA第9節インテルミラノvsユヴェントス ユーヴェ2点目①
    このシーンでも中に絞っていたオビが急いで対応するも、追いついた頃には中のペペに渡される。
    2011-2012 セリエA第9節インテルミラノvsユヴェントス ユーヴェ2点目②
    ここでポイントはオビの対応に加え、長友までがリヒトシュタイナーに引きつられていることである。
    こうすることで、ペペに対応するのがカンビアッソということになり、中央のバイタルが完全に空く。
    2011-2012 セリエA第9節インテルミラノvsユヴェントス ユーヴェ2点目③
    そこに入ったのがマルキージオである。
    2011-2012 セリエA第9節インテルミラノvsユヴェントス ユーヴェ2点目④
    マルキージオは中央でフリーで受けるとマトリのポストプレイを呼び込む。
    2011-2012 セリエA第9節インテルミラノvsユヴェントス ユーヴェ2点目⑤
    2011-2012 セリエA第9節インテルミラノvsユヴェントス ユーヴェ2点目⑥
    これが決まったユヴェントスは1-2とし、再びリードを奪う。

    中から外と揺さぶられて先制点を浴び、中から外、外から中と揺さぶられ、最後に中でのコンビネーションで2失点目と失点のバリエーションが増えていく。

    そして、極めつけが前半40分だった。
    左サイドのヴチニッチから2ラインの間のスペースにボールが出ると飛び込むのはマルキージオ。
    このマルキージオの動きにルシオが引き出される。
    そのボールを受けたマルキージオはピルロにいったんボールを戻すと、ルシオがそのままピルロに引きつけられる。
    この瞬間、マトリが左にゆっくりとポジションを変え、キヴを右サイドまで引きつけている。
    2011-2012 セリエA第9節インテルミラノvsユヴェントス 疑惑のシーン①
    次の瞬間、マルキージオが一気にポッカリと空いた中央の裏に飛び込み、ピルロから浮き球のスルーパスが出る。
    2011-2012 セリエA第9節インテルミラノvsユヴェントス 疑惑のシーン②
    これには既にインテルの誰も追いつけず、カステラッツィと1対1に。
    2011-2012 セリエA第9節インテルミラノvsユヴェントス 疑惑のシーン③
    この1対1はPKのように思われたが、PKにならず、インテルは命拾いをする。

    しかし、これでインテルはほぼすべてのパターンから決定機を作られてしまった。

    ハーフタイム、ラニエリ監督は1つの交代を打つ。
    前半、左に行っても誰ともコンビネーションが合わず、右に行ってもマイコンとサネッティで事足りてしまうため、攻撃でほとんど良いところを見せられなかったマウロ・サラテに代え、カスタイニョスを投入する。
    この交代の意図は正直わからない。
    事実、カスタイニョスは後半から入ったにも拘らず、全くと言って印象を残すことなく、45分間消えたまま試合を終えている。
    サラテを下げるのは良いとしても、入れるべきは不調とはいえディエゴ・ミリートであるべきだったはずだ。
    さらに、序盤からハイペースの試合であったため、前半30分には運動量がガクッと落ちたオビを先に代えるのが筋だったのではないだろうか。
    徐々に両チームの運動量は落ちていったが、交代枠の使い方は明らかにコンテ監督の方が上手かったと言えるだろう。



    【まとめ】

    この試合の肝は前半にあった。
    前半は両チームともに積極的でハイペースなゲームとなり、素晴らしいプレーも多かった。
    しかし、その陰が後半ははっきりと出た。
    運動量がお互い落ち、インテルはより個人の力が出にくい環境となっていき、ユーヴェは粘りのサッカーに切り替わった。
    ユーヴェはインテルに前半の質の勝負、後半の量の勝負で勝ったのである。
    だからこそ、特筆すべきシーンは前半に偏っている。
    それでも試合全体を通してみると、良いゲームであったと思う。

    ラニエリ監督は前半の質勝負の部分でも対抗策を様々に見せた。
    しかし、それは監督の頑張りも空しく、完全な形を見せることはできなかった。
    そして、後半の量勝負では、ラニエリ監督自ら交代策に失敗し、万事休すとなってしまった。

    しかし、それでもインテルの選手がこれほど前向きなサッカーを見せたのは今シーズン初めてだったような気がする。
    インテルにはインテルのプライドがあり、それが前面に押し出た良いインテルらしいサッカーとなっていた。
    今は批判の声も聞かれるインテルではあるが、それでもインテルはインテルなのである。
    彼らはきっと浮上する。
    元よりインテルは組織より、個で勝つサッカースタイルである。
    怪我人が次々に帰ってくる今後に期待だ。


    対するユヴェントスへの賛辞は既にブログの内容から読み取っていただけるであろう。
    セオリーをしっかり踏まえた戦術を作り、それを徹底させるコンテ監督の手腕は本物である。
    そして、それを忠実に体現する選手たちも素晴らしい。
    優勝争いから脱落することはないのではないか。
    ただ1つ、ピルロ、マルキージオ、サイドバックとサイドハーフに怪我人が出ないという条件付きで。
    もし、怪我人が出てしまった場合、その時が更なるコンテ監督の力の見せ所となる。

    よろしければポチッとお願いします^^
    にほんブログ村 サッカーブログへ
    にほんブログ村
    スポンサーサイト

    この記事へのコメント

    - : 2011/11/14 (月) 21:56:26

    「セオリー通り」という言葉を額面通りに受け取ると、4-2-4は4-3-1-2には通用しない未熟なシステムという意味として受け取って良いわけですか?よくわかりません。

    管理人のみ通知 :

    トラックバック


    プロフィール

    ロッソネリ

    Author:ロッソネリ
    FC2ブログへようこそ!

    最新記事
    最新コメント
    最新トラックバック
    月別アーカイブ
    カテゴリ
    おすそ分けのお願い
    スポンサードリンク
    検索フォーム
    RSSリンクの表示
    リンク
    ブロとも申請フォーム

    この人とブロともになる

    QRコード
    QR
    FC2カウンター
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。