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    間に合わなかった修正 ~ガスペリーニの挑戦の軌跡~

    先の記事でお知らせした通り、今回のブログではガスペリーニ前監督からラニエリ新監督に監督交代したインテルの戦術の変遷を見ていこうと思う。

    まずは、ガスペリーニ監督の(「3-4-3」ではなく)「3-4-2-1」のフォーメーションがどのようなサッカーを目標としていたかを記述する。
    前提としてガスペリーニ監督は攻守両面において「数的優位」を最も重視する監督であることを明記しておきたい。
    ガスペリーニ?
    (実線が特に重視されていた選手の動き、点線が主にイメージされていたパス)
    ここでポイントとなるのは、バックラインから前線までのビルドアップはグラウンダーによるショートパスであること。
    その点で、(一部では批判のあった起用だが)CFのポジションには主にフィニッシュに絡むことをメインとするジャンパオロ・パッツィーニではなく、足元の技術に長け、ポストワークをもこなす事ができるディエゴ・ミリートが重用された。
    問題はサイドでの攻撃のイメージなのだが、ここが特に問題であったように思う。
    ストによる延期で開幕戦となったセリエA第2節、このLSTのポジションにはディエゴ・フォルラン、RSTのポジションにはマウロ・サラテが入ったのだが、この2人のアタッカーは足元でボールを受けたがるスタイルの持ち主であり、センターのスペースが狭いセリエではどうしてもサイドによってしまう。
    そうすることでガスペリーニの計算が全てうまくいかない。
    まずは第2戦のスタメンを記入した上で、問題点が明確となるように図示してみよう。
    ガスペリーニ開幕戦
    このフォルランとサラテの開き過ぎがガスペリーニ戦術を破綻させる。
    その大きな2つの破綻をまずは列挙しよう。
    Ⅰ.CFのディエゴ・フォルランがポストの動きをして受けに戻ったところで誰もそのスペースに飛び込まないため、ポストプレーが全く効果を成さない。
    →ポストの動きが減少し、そもそもの攻撃スタイルが全くもって発揮されなくなる。
    →「攻撃の個人技頼み化」
    Ⅱ.フォルラン、サラテという強力なアタッカーがサイドに開くことで相手がサイドのスペースを狭く埋めるため、両WBの突破、オーバーラップのためのスペースがなくなる。
    →攻撃のスローダウン化
    これに加えてさらに致命的な破綻だったのが守備での破綻である。
    Ⅲ.フォルラン、サラテの前線からのプレッシング意識の欠如による相手チーム(パレルモ)のビルドアップの容易化
    →パレルモの攻撃の展開が速く、そして、効果的に。
    Ⅳ.守備の戻りの意識の欠如による、守備、特にサイドでの守備での数的不利
    →カヴァーリングでは毛頭補えない「スペースの連関」を生む。

    この先発布陣の問題点を見てすぐに修正した辺りにガスペリーニ監督の力量というのが垣間見えていると思う。
    前半34分、マウロ・サラテに代えてウェズレイ・スナイデルの投入である。
    こうすることで前線の3人に中で勝負をするように促し、サイドのスペースをWBに使わせるという思い通りの流れを作ろうとした交代であったと思う。
    早い交代に首を傾げた人も多かったであろうが、以上の意味で、ガスペリーニ監督の考える戦術の肝が垣間見える交代であったと考えられる。

    そうした試行錯誤もあって、ガスペリーニ監督のインテルは一応の落ち着け所を見つけたかのように思えた。
    それが以下のスタメンである。
    ガスペリーニインテルの落ち着け所
    こうすることでスナイデルを「使う」ことができるし、サイドのスペースも広くなる。
    守備に不安があるのはもちろんであるが、中盤センターが強固になる。

    しかし、ガスペリーニ監督のインテルの3バックシステムには問題があった。
    それが、状況に応じてバックラインの枚数を臨機応変に変化させ、ゾーンマークよりもマンマークを重視するため、バックラインが崩れること。
    この守り方の弱さを露呈するのが、裏への飛び出しを重視する攻撃とカウンター攻撃への対処時である。
    どういうことか。
    自陣から見て左からの攻撃を受けている場合を想定しよう。
    ガスペリーニインテルの守りの破綻
    対応するはずの前線の選手の守りがないor遅いことによる数的不利はなんら変わらない。
    攻撃を受けている左サイドの人数は足りている。
    逆サイドもスペースはあるが、人数は足りている。
    問題はセンターだ。
    センターの攻撃的な選手には一応のマンマークがついているが、センター後方の選手が上がってきた時、完全に数的不利に陥る、あるいはラインを崩しながらのマーキング、あるいは複雑なマーキングの受け渡しが必要になってくるわけである。
    さらに左サイドの選手が抜かれた場合、センターの選手が左サイドにカヴァーの動きをした場合、マンマークを外しての守備となってしまうわけである。

    それでも引き分けたし、何とか勝ち点1をゲットしたのがASローマとのセリエA第3節であった。
    しかし、ここでも勝ち点3を得ることができなかったインテル。
    そして、UEFAチャンピオンズリーグでのトラブゾンスポル戦ではホームで無得点の敗戦だったことことも合わせると、ガスペリーニを取り巻くプレッシャーの強さは半端ではなかっただろう。

    ここからは言うまでもなく、不の連鎖であった。
    試合を支配したいガスペリーニ監督は今ひとつな内容を見せていたジョナタンを諦め、サネッティをRWBにまわし、スナイデルをCHに入れることで支配率を高め、完全支配を狙う。
    しかし、ノヴァーラのホーム、スタディ・シルヴィオ・ピオラで見せたのは、これまでの守備面の弱点を全て凝縮したような内容のサッカーであった。
    過度のプレッシャーが生んだノヴァーラ戦の布陣であったと思う。
    記者会見でもかなりナーヴァスになったガスペリーニ監督の姿はローマ戦の頃には表れていたようだ。
    軌道修正をしながら何とか落ち着け所を見出そうとした時には既に崖から片足を踏み外していた。

    ミラニスタとしてではなく、セリエファンとして、インテリスタとモラッティ会長にもう少しの忍耐があれば・・・・・と不憫に思うことしかできない。。。。。



    【お詫びと次回予告】
    本稿ではガスペリーニ監督のインテルとラニエリ監督のインテルの両方の戦術の肝を記述し、その比較まで行う予定でありましたが、ガスペリーニ監督のインテルを記述するだけで相当の長さになってしまったため、ラニエリ監督のインテルについては次回の記事にまわしたいと思います。
    申し訳ありません。
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