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    インテルの監督交代劇~マッシモ・モラッティ会長の相反する2つの理想~

    セリエAでは早くもメガクラブが監督を交代させた。
    早過ぎるようにも思えるこの交代劇には、1人の監督の孤独と不運が重なったようにも思われる。
    しかしまた、チームの信頼を勝ち得なかったという点においてはその孤独な指導者のメガクラブの監督としての能力不足があったのかもしれない・・・・・。

    その監督の名は、ジャン・ピエロ・ガスペリーニ。
    ジャン・ピエロ・ガスペリーニ
    この名を聞くと、カルチョ好きにスペクタクルな戦術として名を馳せたことは御存知の方は多いと思うが、そうでない方が多かったようだ。
    なぜならその名を聞いた日本のサッカーファンの多くが、「超」ビックネームではないその監督の名前に違和感を感じ、就任当初から不安の声を発するインテリスタも多かったようだ。
    もちろん、一部のカルチョファンはその監督を賞賛し、楽しみにしていた。
    私も含めて。。。
    しかし、肝心のインテルの会長、マッシモ・モラッティ会長は本心からこの監督を招聘したわけではないと各種メディアは報じている。
    もちろん、この辺りの記事はあくまで推測の域を出ないのではあるが紹介しておこう。

    まず、ミラニスタから総スカンを食らったレオナルド元監督がインテルの監督職を辞任したのは、モラッティによるものではなく、レオナルド本人の本心であったとされている。
    レオとモラッティ
    といのも、モラッティは最大限の結果を残せなかったとは言え、レオの戦術に一応の満足感を持っていたと思われる。
    レオの戦術は組織的ではないが、攻撃的な選手のスキルを最大限引き出すことを得意とし、組織的な内容では良くなくとも、試合には個人の力で勝ってしまえるというところがあり、攻撃的なサッカーを好むモラッティ会長の目には良く映るものだったと考えられるからだ。
    しかし、ある意味賢いレオ自身は自らの監督としての力量に見切りを付け、チームを替え、天職であるフロントでの仕事に舞い戻った。
    モラッティはレオから辞任の意を伝えられてから立ち直るのに10日を要したと言われている。

    方向転換を強いられたモラッティの頭の中での理想の監督は2人であると言われている。
    インテルのモウリーニョ
    もちろん、「スペシャルワン」ジョゼ・モウリーニョが1人であり、その復帰を願っている。
    彼がモラッティのインテルに齎(もたら)した栄光は輝かしすぎて、その栄光は眩いものとして未だにモラッティをはじめとした全インテリスタの心の拠り所となっている。
    そして、もう1人は意外でもあり、必然的でもある人である。
    グアルディオラ
    ジョゼップ・グアルディオラがその人である。
    彼が今現在、サッカーの世界で作り上げた「バルセロナ」という攻撃的なチームは現代サッカーの象徴と見なされており、ヨーロッパの全チームが目標にし、ビッククラブの打倒の的となっている。
    そういう意味では妥当な理想なのである。
    しかし、この2人に共通することは、今夏の招聘は確実に不可能という事実であり、モラッティ会長の理想は現実とならない。
    それゆえ監督招聘にまでモラッティ会長は多くの苦悩と持ち前の「優柔不断」を発揮することとなる。

    まず始めに監督招聘をオファーした人物はマルセロ・ビエルサであった。
    ビエルサ
    ビエルサ監督といえば2010年ワールドカップでチリ代表を率い、代名詞とも言うべき「3-4-3」で魅力的な内容と好成績を披露した名将である。
    しかし、彼がモラッティ会長の目に良く映ったのはそれだけが理由ではない。
    ビエルサ監督はアルゼンチン代表を1998年から2004年の間率いており、その頃もアルゼンチン代表にいたハビエル・サネッティは同監督を良く知っている。
    モラッティ会長が、ネラッズーリのバンディエラにその監督について問い合わせ、おそらくバンディエラも好意的な意見を述べたことは容易に推測できる。
    しかし、ビエルサはモラッティ会長からの誘いに「NO」の回答を出した。
    その頃、彼は会長選挙を控えたアスレティック・ビルバオの次期会長候補から監督招聘の誘いを受けており、自らが大きな権限を持って監督業にあたることができるこのチームの監督就任に前向きであったからである。
    そうしてビエルサに「NO」を突きつけられてからというもの、インテルの監督候補には主に以下の名前が浮き上がった。

    ○アンドレ・ビラス・ボアス
    ビラス・ボアス
    モウリーニョの弟子であり、2010-2011シーズン、ポルトガルのFCポルトでリーグ戦無敗優勝、UEFAヨーロッパリーグ優勝を成し遂げた彼は、「スペシャルワン」という桃源郷を求めるモラッティ会長にとって魅力的な人であり、テクニカルディレクターのマルコ・ブランカも乗り気であったという。
    そして、マルコ・ブランカは実際にポルトガルを訪れている。
    しかし、彼にはFCポルトとの契約違約金1500万ユーロが課せられていた。
    その違約金はインテルの財政事情とFFP(ファイナンシャルフェアプレー)を見据えた節約方針を崩さざる得ないものであり、さらにビラス・ボアスは同時期に既にオファーを出していたチェルシーでの挑戦を選択していたために、断念せざる得なかったし、おそらく断られたのであろう。

    ○シニサ・ミハイロビッチ
    ミハイロビッチ
    現役時代にインテルでもプレーし、ロベルト・マンチーニ元インテル監督の下で助監督を務めたミハイロビッチは、インテルミラノというチームを良く知るという点で他の監督より優位にあるとされ、モラッティ会長も強く望んだ人物であった。
    そういう経緯からもイタリアの報道の一部(特に「コリエレ・デッロ・スポルト」紙)では新監督の本命として報じられ続けた。
    しかし、内々に同意まではこじ付けながらも決定に至らないまま、ミハイロビッチによってこの招聘は否定されてしまう。
    そこには障害がいくつかあったのだが、1つの理由にマッシモ・モラッティ会長とテクニカルディレクターのマルコ・ブランカ氏の相反する意見にあったと言われている。
    ここでは非常に重要な議論が混ざっているので、後(※)に推測にすぎないところもあるが詳細に述べたいと思う。

    ○ファビオ・カペッロ
    ファビオ・カペッロ
    現イングランド代表監督にも標的を向けたようだ。
    セリエのビッククラブやレアルマドリートで結果を残したイタリアを代表する監督の1人である。
    そんな監督の招聘に動くのは必然と言えば必然である。
    カペッロも本人は同意をしたようである。
    しかし、イングランドサッカー協会が契約解除に応じることなく破談となったようである。

    ○デリオ・ロッシ
    デリオ・ロッシ
    この監督の名前はよく取り沙汰されたが、実際には全くもって候補にも挙がらなかったようである。
    実際、この監督がインテルの監督になったとしても・・・・・?


    最終的には皆さんが知るところになった結果である。
    しかし、実質は消去法による選択だったようである。
    それはマッシモ・モラッティ会長の相反する理想の間の葛藤が大きな迷いを生み、その迷いが結実した監督招聘劇だったのである。
    その大きな迷いが、先ほど(※)で残しておいたミハイロビッチ監督の招聘に迷いに迷ったところである。
    モラッティ会長の2つの理想とは何か。

    Ⅰ.魅力的なアタッカーの持てる力を最大限に生かせる戦術。
    これは元来のマッシモ・モラッティ会長の根底を貫いてきたサッカー観である。
    それはこれまで莫大な資財を注ぎ込み海外からインテルに、国内他クラブからもインテルに魅力的な選手達を獲得し、セリエを盛り上げてきた多大なる功績に表れている。
    また稀代のファンタジスタ、アルバロ・レコバをこよなく愛したことにも窺える。
    レコバ

    Ⅱ.結果の出るシステマティックな戦術
    元来、根底にあったⅠのサッカー観の風穴から嬉しい衝撃と共に突如モラッティ会長を貫いたサッカー観である。
    この理想を持ち込んだのが、「スペシャルワン」ことジョゼ・モウリーニョ監督であった。
    この戦術でモラッティ会長を喜ばせたのはその自らも用いる「スペシャルワン」の愛称の通り、ジョゼ・モウリーニョ監督ただ1人である。
    この戦術観は魅力的なアタッカーにも守備や運動量を求めるため、Ⅰのサッカー観とは相反するものになる。

    モラッティ会長は、この相反するⅠとⅡのサッカー観の間で迷いに迷い、決断を下せずにいたのである。
    実際、このレオナルド監督辞任からガスペリーニ監督招聘までに招聘に動いた人物と理想の監督候補をⅠとⅡに分類すると以下のようになる。

    Ⅰ:レオナルド、シニサ・ミハイロビッチ

    Ⅱ:ジョゼ・モウリーニョ、ジョゼップ・グアルディオラ、マルセロ・ビエルサ、アンドレ・ビラス・ボアス、ファビオ・カペッロ、ジャン・ピエロ・ガスペリーニ

    実にⅠとⅡの理想を行ったり来たりしていることが窺えよう。
    自らは気付かぬうちに嵌ってしまった2つの理想が生む矛盾を、結局は処理できなかったのである。
    ちなみに、テクニカルディレクターのマルコ・ブランカ氏は現在、モラッティ会長のⅡの理想の代弁者である。
    「4バックなのか3バックなのか」といった見かけの戦術以前の段階の根本的なサッカー観の間で、マッシモ・モラッティ会長の苦悩があったと言えよう。

    だからこそ、モラッティ会長はジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督を信頼しきれなかったのである。
    それはガスペリーニという人を信頼できなかったという以前に、自らの相反するサッカー観の片方に完全に傾倒することができなかったことに端を発するものである。
    そして、ガスペリーニ監督のインテルは夏のうちに完成することはなかった。
    それはサミュエル・エトーという戦術を凌駕する力を持ちながら献身性のあるプレーを披露できる素晴らしい1ピースを失うという事件と、マルコ・ブランカが連れてきた最後の1ピースがガスペリーニ本人が望んだロドリゴ・パラシオではなく、望みもしなかったマウロ・サラテという選手だったという事実を伴って。。。。。

    完成に向かって突き進もうとした矢先から、急降下を始めたガスペリーニインテルは即座に終焉を迎えた。
    そして、その代役はクラウディオ・ラニエリである。
    ラニエリ
    ラニエリを先のサッカー観の分類に当てはめるとⅠとⅡのサッカー観の両方を持つ珍しい監督となる。
    途中就任で監督招聘の多いことも理由の1つであろう。
    途中就任時に見せるのがⅠの顔であり、2年目に挑む頃から見せるのがⅡの顔である。
    しかし、Ⅰの顔を持つときには好成績を残せるが、Ⅱの顔のラニエリは頗(すこぶ)る評判が悪い。
    だからこそ、モラッティ会長がラニエリに最初のオファーを出した際には1年契約でオファーしたのである。
    もちろん、そのオファーはラニエリの強い要望に押し切られる形(それしかなかった)で2年契約となっている。

    この監督交代劇が見せたマッシモ・モラッティ会長の2つの理想と苦悩はこれからも残るだろう。
    おそらくクラウディオ・ラニエリという人物にはその2つの理想の間での苦悩に決着を付けさせることはできない。
    2人の理想の監督が「監督」業を続けている間は。。。。。



    【次回予告】
    この項で描いた議論の具体的な部分、つまり、ガスペリーニ前監督がインテルでやろうとした戦術と、クラウディオ・ラニエリ新監督がインテル救済のために使用している現行戦術の詳述したいと思います。
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    この記事へのコメント

    にこにかるちょ : 2011/10/04 (火) 22:47:44

    UPお疲れ様です!!

    最終的にラニエリがインテルの監督に就任したことが、今のインテルを表している気がしますね。
    個人的にはガスペリーニのサッカーは非常に魅力的なので、もうちょっと見たかった気もしますが、仕方ないでしょう…。

    それと、いつの間にブログ全体のデザインが格好良くなっててビックリしました!!!笑

    次回も楽しみにしています^^

    ロッソネリ : 2011/10/04 (火) 23:42:54

    迷いが二面性を持つ監督の招聘へと繋がったのは非常におもしろいところですね。
    僕もガスペインテルの完成形が見たかったところです。
    残念ですね。

    ブログのデザインとともに、ブログの記事が見やすくなった(特に見切れていた画像の部分)と自画自賛w

    ファン : 2011/10/06 (木) 09:12:33

    監督業のむずかしさについて考えさせれる内容ですね。
    個人的には補強も含めたガスペの指導力不足で、選手たちをまとめられなかったのが1番痛かった点だと思いました。

    匿名希望 : 2011/10/07 (金) 00:33:08

    あのー、ロッシの扱いが・・・2年間あの偉大なパレルモというチームを率いてだな・・・一応コパも準優勝してだな・・・もうちょっとだな・・・これロッシの欄いるか?w

    ロッソネリ : 2011/10/07 (金) 03:03:30

    >>ファンさん

    補強に関してはフォルラン、サラテなどはガスペリーニの希望ではなく、ブランカTDの独断での動きという情報を聞いています。
    補強に関してガスペの責任はないと思います。
    むしろ被害者かなと。

    チームをまとめられなかったという点に関してはやはり勝利が必要でしたね。
    それがなかった故、悪循環に陥ってしまったという意味では非常に残念です。



    >>匿名希望さん

    誰だかわかるよw
    偉大かどうかはわからんが、ザンペリーニというモラッティよりも監督のチェンジが好きな会長の下でよくやった。
    しかし、残念ながらロッシは名前には挙がったけれども、見向きもされてないようで。。。
    一応、名前に挙がったから欄は作ったんだがw

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