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    2011-2012 セリエA第25節 ACミランvsユヴェントス ~もう大丈夫!ミランとユーヴェが来期はCLを引っ張る!~

    いつぶりだろうか。
    「天王山」の重みを背負いながらこの2チームで対戦できるのは。
    今シーズンのユーヴェは間違いなく強い。
    それは勝利の数ではなく、「無敗」でというところにユーヴェらしさが表れている。
    「勝てなくても負けない」、コンスタントに勝ち点を積み重ねるユーヴェは本当に強い。
    そのユーヴェの底力がこの試合でも発揮された試合となった。
    そして、この試合でもおもしろかったのは両チーム監督の修正能力対決。
    お互いがお互いの腹を探り合いながら修正を加え続けていく両監督の采配はこの試合を世界一ハイレベルな試合に相応しいものとした。
    それでは振り返って行こう。

    なお、この試合では明らかな誤審が2つ見られており、物議を醸しているが、私はその点については大きく触れることはしない。
    もちろん、お互い自らのゴールが認められてい「れば」、試合展開は変わったものになったであろうが、しかし認められなかったのであり、目の前にあるものを分析する立場としてはその点に関して「執拗にこねくり回そう」が何も生まれないと考えるからである。
    審判の判定についてガタガタと言い立て続けることに何ら建設的な意味はない。
    そういう思いは胸にしまっておく方が得策である。
    それよりもポジティブな面、そして戦術的、技術的にネガティブな面を指摘する方にこそ先の試合を見るヒントが多い。

    さて、それではスタメン・ベンチメンバーを御覧頂こう。
    2011-2012 セリエA第25節 ACミランvsユヴェントス スタメン・ベンチ

    次にフォーメーション。
    2011-2012 セリエA第25節 ACミランvsユヴェントス スタメンフォーメーション


    ●サイドではなく、センターの数的優位を優先したコンテの選択
    シーズン中盤からアントニオ・コンテ監督は優れた持ち駒の数を利用し、対戦相手との噛み合わせを重視し、非常に柔軟にシステムを使い分けている。
    それが主に4-3-3と3-5-2の併用である。
    この使い分けを見る上で重要なのは「数的同数」を作るという点であることは「2011-2012 セリエA第10節インテルミラノvsユヴェントス(イタリアデルビー)レビュー ~セオリーに徹したインテル・ユーヴェの明暗~」にて既に述べたつもりである。
    その「数的同数」をサイドで作り、「数的優位」をセンターに持ち込むことが、今回のコンテの回答だったようである。
    以下の図を御参考にしていただこう。
    2011-2012 セリエA第25節 ACミランvsユヴェントス 前半数的関係

    ●いつも通りのハイプレスを仕掛けるユヴェントス、ピルロに付けないミラン
    試合は立ち上がりから戦前の予想通り、ユヴェントスが激しい前からのプレッシングを仕掛ける展開となる。
    ユーヴェの前からのプレッシングは非常に効率的で、現在のサッカーの世界では突出した精度を誇るものとなっている。
    そのハイプレスを前にしたミランはなかなかボールが繋げない。
    前に出してもすぐにカットされるという展開になり、立ち上がりはユーヴェペースに試合が進むこととなった。
    こうした展開にミランのブロックは押し上げがスムーズに行かなくなり、下がり目でタクトを振るうピルロへのディフェンスがどうしても緩くなってしまう。
    これによりユヴェントスのポゼッションが安定したものとなる。

    ●ユヴェントスの前からのプレッシングが安定する理由
    これはひとえにセンターバックの2人、アンドレア・バルザーリとジョルジュ・キエッリーニに拠る部分が大きい。
    彼らはカバーリングの意識を高め、そして尚且つ1対1での対人ディフェンスにおいて高いディフェンス能力を見せてくれるため、「バックラインを抜かれるのが怖い」というメンタル的なネガティブ効果が出ないため、中盤の選手が安心して前でプレッシングを強めることができるからである。
    この安心感はミランの中盤と同等程度の安心感をもたらしていることは特筆に値するだろう。
    特にリヒトシュタイナー側のセンターバック、アンドレア・バルザリは今シーズンのセリエ、いや、世界のディフェンダーの中でも特筆して高いディフェンス能力を発揮している。

    ●中央から力押しするミラン、サイドを上手く使うユヴェントス
    しかし、前半10分くらいから形成が変わり始める。
    パト、ロビーニョ、エマヌエルソンとスピードのある3人がミランの前線とあって、トランジションの速くし、スピードを生かしたカウンターを恐れて、ユヴェントスは前からのディフェンスを緩め、リトリートし守備ブロックを形成することを優先し始めたのである。
    これによりポゼッションが互角になり始め、中央からポゼッションを狙うミラン、センターのピルロがサイドに上手く叩くことでサイドを生かそうとするユヴェントス、の構図が出来上がる。
    その中でミランもユヴェントスと同様に前からのプレッシングを仕掛けることとなった。

    ●前半の命運を分けたミス
    両チームの緊張感あふれるペースの握り合いの中でミスを犯してしまったのは、ユヴェントスのレオナルド・ボヌッチであった。
    ユヴェンティーニの心配が現実となるかのように、前半15分、ボヌッチのビルドアップはあっさりロビーニョにカットされ、中のノチェリーノへ。
    これをフリーで打ったミドルがボヌッチに当たってコースが変わりながらゴールに吸い込まれる。
    ミランにとってはラッキーなイージーゴールとなってしまい、ゲームの均衡が崩れる。
    ボヌッチはまだユヴェントスレベルで見ると若さが出ている部分があり、ミスも多い。
    このミスを減らすことが今後への課題であろう。
    そして、両チームの不安材料であった審判にもミスが起こる。
    前半25分、コーナーキックのこぼれ球を押し込んだムンタリのヘディングはゴールにしっかり入っていたが、なぜかゴールが見逃され、カウンターを受けることに。
    これによってサン・シーロは騒然となり、バタバタとした試合展開となる。
    その中でチアゴ・シウヴァに非常に厳しいイエローカードが提示されたが、これはミラニスタとして残念でならない。
    それはバルザリにも提示されたイエローカードでユヴェンティーニの皆さんは同様の思いだったに違いない。

    ●アッレグリの修正能力
    この試合においてまず戦術に大きな修正を加えたのはアッレグリの方であった。
    それが4-3-1-2から4-3-2-1への修正である。
    前半早い段階からプリマプンタ(センターフォワード)のように中でバックラインを破る動きに徹するパトと、中盤に降り、ピッチを動き回るロビーニョという役割分担ができていたことを見て取ったアッレグリは、エマヌエルソンとロビーニョの負担を軽減しながら効果的なカウンターを狙うべく、ロビーニョの位置を最初から下げ4-3-2-1に修正した。
    これによって形成されたのは攻守の局面での「数的同数」であり、果敢にも「数的同数」を形成したところは、アッレグリの陣容に対する自信の表れであった。

    ●「数的同数」から「数的優位」を作ったコンテの英断
    HT、両チームが動く。
    まずはミランがコンディションの悪さから再び怪我を負ったパトに代えて、ステファン・エル・シャーラウィを投入する。
    対してユヴェントスは前半流れがよくなかった3-5-2から、エスティガリビアをシモーネ・ペペに代え4-3-3にシフトチェンジした。
    そしてさらに後半10分、マルコ・ボリエッロに代えて、ミルコ・ヴチニッチを投入する。
    これによって形成されたのはサイドの「数的優位」であり、あまりマークに付かれていないピルロを中心としたセンターから、サイドの数的優位へとボールを叩く形を選択した。
    もちろん、両サイドバックの献身性に拠るところの大きいこの戦術的変更ではあったが、これは両サイドバックに対する信頼もあってのことである。
    以下が後半のフォーメーションである。
    2011-2012 セリエA第25節 ACミランvsユヴェントス 後半フォーメーション・数的関係

    ●エマヌエルソン、ロビーニョ、エル・シャーラウィの3トップ
    対するミランが後半から見せたエマヌエルソン、ロビーニョ、エル・シャーラウィの3トップはポジションチェンジに富んだ変幻自在なものであった。
    確かに高さはなく、攻撃の基準点は1人としていないが、逆に状況に合わせた攻守のトランジションをすることで、素早くブロック形成、カウンターを織りなすという狙いがあったものと思われる。
    この4-3-3にも近い形が作れるのは、ひとえにロビーニョ、エル・シャーラウィの守備での献身性のおかげである。

    ●中央とサイドの使い分け
    後半目立ったのはユヴェントスが攻撃時に中のピルロを起点としながらサイドの運動量を生かして数的優位を作り、そのサイドを上手く使って攻撃したシーンであった。
    そして、チャンスが訪れる。
    後半23分、中央のピルロが楽に左サイドでフリーのキエッリーニに叩くとそれをクロス。
    これにクアリアレッラが詰めるもアッビアーティが好セーブ。
    ユヴェントスがチャンスを逃す。
    後半22分、クアリアレッラに代わってアレッサンドロ・マトリが投入される。
    これで全ての交代枠を使い果たすが、ユヴェントスは4-3-3のベストな形にしており、早くにシステムチェンジに踏み切ったコンテは素晴らしい判断を見せたと言えるだろう。

    ●4-4-2にしなかったアッレグリの選択
    その直後、アッレグリも動く。
    エマヌエルソンに代えてマッシモ・アンブロジーニを投入したのである。
    そして、ムンタリをトレクァルティスタへ。
    この狙いは前での溜めを作れない3トップにムンタリを上げることで、溜めを作りたいという狙いであったようだが、その狙いは失敗する。
    むしろ、代えるべきだったのは疲れの見えるムンタリで、そのままの4-3-2-1を貫くか、ムンタリもザンブロッタと代えて4-4-2にするべきであったように思われる。
    完全に防戦一方となり始めた段階で、もう少しはっきりとした対応策を打ち出すべきだったのではないか。

    ●後半の命運を分けた1つのミス
    後半24分、またもや試合を大きく左右するミスが起こる。
    ミランのバックラインから飛び出したマトリがゴールを決めるも、これがオフサイドの判定。
    しかし、これはオンサイドで、ユヴェントスも1点を失う。
    これにより完全にどちらもヒートアップした。

    ●落ち着けることができなかった両指揮官
    非常にハイレベルな采配を見せた両指揮官に今後改善すべき点があるとすればこういったムードを落ちつけたり、変化をつけたりする能力であろう。
    アッレグリは交代カードをまだ持っていたのであり、そのカードを打たなかったことはやはり悔やまれる失策である。
    逆にコンテはファイタータイプだったプレーヤー時代と同様、やはりピッチサイドでも戦う姿勢を表にするが、これもまた落ち着けることが必要なときもあるだろう。
    そして、この悪影響はミランに表れた。
    後半38分、右サイドのペペからのクロスを中でマトリが合わせ同点ゴール。
    このマトリのシュートはタイトにマークにつくチアゴ・シウヴァを背負いながら非常にうまく合わせたものであり、素晴らしいゴールであった。
    キエッリーニが突っ込んできたシーンはマークの受け渡しミスがミランには起きていたことも見逃せない。


    そうしてこの試合は同点で試合終了を迎える。
    試合終了後は若干ひと悶着が起こるが、それでも試合中には大事もなく集中して試合に挑んだ両チームが久々に世界一ハイレベルな試合を披露したのではないだろうか。
    今回の試合では両監督の采配も光った。
    このハイレベルなミランvsユヴェントスが帰ってきたことはセリエファンとして嬉しいし、来年はCLでともに上位に上がっていけるという自信の持てる試合となったことは間違いない。
    ミランvsユヴェントスのハイレベルな試合が戻ってきたのである。
    この後もスクデットを目指してせり続けるであろう2チーム、今後は勝ち点の積み重ね方が問題となっていくことになるだろう。

    なお、この試合では一人のフォーリクラッセが最後のサン・シーロでの試合に挑んだ。
    アレッサンドロ・デル・ピエロであるが、この15年間のユヴェントスとの試合にはいつも彼がいて、ハイレベルなパフォーマンスを見せてくれた。
    この最後の試合に出場することはなかったが、それでもこのデル・ピエロとの戦いは筆者にとって非常に想い出深い、宝のような試合の数々であった。
    今後もミランとユヴェントスはハイレベルな戦いを見せるだろうが、それでもデル・ピエロがいたユヴェントスとの戦いは色あせることなく世に語り継がれるべきものとして残り続けるであろう。



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