スポンサーサイト

    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。

    最高の攻撃、最高の守備、「最悪な芝」 ~2011-2012 UEFAチャンピオンズリーグ準々決勝1st leg ACミランvsバルセロナ レビュー~

    表現する言葉の1つ1つが言葉足らずになりかねない緊張感。
    「1点の重み」がこれほどまでに色濃く表れる試合はないかもしれない。
    ACミランvsバルセロナ。
    まさしく世界最高の守備陣が世界最高のチームの攻撃を真正面から受け止め、跳ね返し続けるゲームとなった。
    これほどのスペクタクルなゲームはない。
    なぜならば、最高の攻撃は最高の守備を導き出し、最高の守備は最高の攻撃を導き出すからである。
    かつて世界最高の選手、ディエゴ・マラドーナを止めるために、アリーゴ・サッキがミランで「ゾーンプレス」を採用し、強化したのと同じように。


    さて、まずはこの試合のスタメンを御覧頂こう。
    2011-2012 UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント準々決勝1st leg ACミランvsバルセロナ スタメン・ベンチ・選手交代

    スタメンのフォーメーションを図にしたものが以下となる。
    2011-2012 UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント準々決勝1st leg ACミランvsバルセロナ スタメンフォーメーション
    ミラン:4-3-1-2(ほとんど4-3-2-1)
    バルセロナ:4-3-3(ほとんど3-4-3)

    ●システムの相性
    近頃、Twitter上や一部のブログなどで、「システムの相性」について議論されていることが多い。
    例えば、「4-3-1-2は4-1-4-1に対して優位なシステムである」という観点について、その有無などがそうである。
    これはある局面を見れば有ると言えるし、全体を見れば無いとも言える。
    ただしかし、申し上げておきたいのは、システムや戦術はもちろん数的関係においてチームに重要な優劣関係を形成するが、それが決定打となることはないと私は考えているということである。
    それを言うと、ここなどで語っている戦術論もまた無意味なるものだと思われるかもしれないが、それも否定する。
    つまり、「戦術、システムによる優劣関係がどのように生じたのか」を論じることや、その先にあった「決定打となる個の力」を紹介することには十分な意義があると感じているからである。

    ●無秩序な流動性か秩序ある柔軟性か
    前置きはこれくらいにして、試合内容に実際即した話に移ると、この試合のミランもバルセロナも試合直前の予想にほとんど違わぬスタメンを並べる結果となった。
    そして、どちらにもシステムに柔軟性のあるスタメンとなったことは偶然ではない。
    ミランはロビーニョがポイントとなる。
    ロビーニョという選手は、FWとして崩しの局面でのクオリティが高く、特にドリブルに長がある選手だが、守備での献身性も十分に見込める選手である。
    足元でボールを貰い、サイドに流れることの多い彼は十分トレクァルティスタとして機能できるため、ミランはトレクァルティスタにプリンスとロビーニョを並べる形が(机上では)可能となる。
    逆にバルセロナの方は状況によってダニエウ・アウヴェスがサイドバックにもウイングにもなることで4-3-3にも3-4-3にも3-3-4にもなることが可能であった。
    しかし、両チームのこうしたシステムの変更は前者がある程度の秩序を持った戦術的な柔軟性と言えるのに対し、バルセロナはほとんど選手の試合勘といったもので連動してしまうものであり、ペップ・グァルディオラ監督の指示はあるとはいえほとんど無秩序な流動性と言っても過言ではない。
    しかし、この議題について取り扱い続けることはレビューとはまた違った意味を帯びたものとなるためここでは深追いすることなく、「バルサにシステム論を導入し続けることはその状況状況の個別性を見失う」とくらいに思っていただければ十分である。

    ●「攻める」は嘘?結局は守るを選択したミラン?
    ミランのスタメンは両サイドバックにのみ選択肢が用意されたと言っても過言ではない。
    アバテは怪我で間に合わなかったとはいえ、ジャンルカ・ザンブロッタ、ダニエレ・ボネーラ、ルカ・アントニーニ、ジャメル・メズバの4人が登録メンバー入りし、ザンブロッタ、アントニーニは両サイド対応可能なため、十分な選択の余地が残されていたことは怪我人が多い状況下のミランにおいてある意味異常なことでもあったわけである。
    そして結局はフィジカルコンディションの良い2人、ダニエレ・ボネーラとルカ・アントニーニが選択されたわけである。
    しかし、このボネーラとメクセスの先発という結果によって、ミランには1つの欠点が生じる。
    それはこの2人の同時先発は守備では一定以上の貢献が見込めるものの、ビルドアップ能力に難があるため、しっかりとしたバックラインからのポゼッションが見込めないということである。
    ピルロというサッカー史上最高のレジスタ退団後のミランのボール回しにおいて重要なのは、アンカーに加えてCB2人の高い安定したキープ能力と長短のパスの精度であるが、これはアレッサンドロ・ネスタとチアゴ・シウヴァにしか備わっておらず、メクセスやボネーラに不十分な点である。
    さらにバルセロナは徹底して「前プレ」と呼ばれるフォアチェックをパスコースを限定しながら効果的に行うチームであり、ミランのビルドアップはほとんど封じられることとなるのはスタメンを見ればわかる、といった状況であった。
    つまり、攻めるつもりだったミランは守ることを選択したのではなく、結果としてしっかり守ることを選択せざるを得なかったのである。

    ●前に出たミラン、前に出たバルサ
    前半立ち上がりはそういった意味で、ミランの攻撃への意思が表れていたのではないだろうか。
    ラインは高めに設定され、前からのプレスも強くし、どんどんと前に出ていくことに成功しつつあった。
    そうしたミランの立ち上がりのギアと後述することとなるピッチ状況の悪さにいつものスロースターターっぷりを発揮したバルサはミスを連発することになる。
    その最たる例が前半2分の低い位置でのブスケッツのパスミスから生じたミランの大チャンスであっただろう。
    しかし、この大チャンスに怪我明けのボアテングもロビーニョもゴールを決めることはできなかった。
    そして、12分でこうした力関係も終了を迎える。
    結局のところ、バルサの修正を待つ前に、ミランは既にポゼッションを諦めることとなったのである。
    それでももう1度チャンスが訪れる。
    中盤でシャビが保持しようとしたところにアンブロジーニが襲いかかり、セードルフへ。
    そのセードルフはダイアゴナルランで走り込んだイブラヒモビッチにスルー出すも、シュートはバルデスがファインセーブで抑えた。

    ●常套手段のセンター固め
    前半12分にも1度あったが、前半20分を越えたあたりからダニエウ・アウヴェスがほとんどいつもフリーで右サイドにいる姿が目立ち出す。
    これはリーガエスパニョーラの多くのクラブと同様にサイドのスペースは諦めて、センターを固めるという言わば対バルサの常套手段である。
    しかし、この「サイドを捨てる」というのは、中で選手をフリーにさせないこととカットインには対応するという臨機応変さの両方をほぼ完璧に遂行することによってしか効果を成し得ない。
    つまるところ、守備では覚悟を持ってサイドを諦めたところには、「守りはできる」というミラン本来の原点に立ち返ったと言っても良いだろう。
    もちろん、ビジャというCFがいないことも影響してはいるのだが。
    そのミランの覚悟を嘲笑ったのはシャビであっただろう。
    前半25分、中央でボールを持ったシャビはスルスルとロビーニョとボアテングのディフェンスを交わし、狭いところでメッシとワン・ツーで対面したメクセスを置き去りにし、フリーでシュート。
    これはなんとかアッビアーティがセーブする。

    ●ディフェンスリーダーは頼れる世界最高のセンターバック
    今現在、多くの選手が世界最高のセンターバックとまで言うようになったのが、チアゴ・シウヴァである。
    そのチアゴ・シウヴァは私にはまだ世界で2番目である。
    しかし、ここぞの1試合に頼れる選手はやはりアレッサンドロ・ネスタであり、その意味ではチアゴ・シウヴァにはさらに多くのビッグゲームでの出場が必要で、さらに多くの経験を経ることで私にとっては世界最高のCBになるのだろう。
    この試合でもミランのバックラインはネスタを見ながらラインとして揃うが、その自身が立てたバックラインを自分で破り、修正するのもネスタであった。
    そのライン形成と早めのチェックでボールを狩る姿は、ミラニスタのアイドルの1人、フランコ・バレージにも負けず劣らぬ、いや、越えているかもしれないクオリティの高さと自信が漲り続けていた。
    もちろん、フィジカル能力の衰えはあるかもしれないが、最高のアタッカーがメッシであるとしても、最高のディフェンダーはネスタであると確信を持って言える。
    そのフィジカルの衰えはバルサの1つのチャンスを生む。
    ミランがイブラとロビーニョで強引に押し込もうとしたそのクリアボールにメクセスとケイタが反応するが、ケイタが先にバックラインの裏へヘディング。
    これにサンチェスが飛び込んだ際に付いていたのはルカ・アントニーニだけであったというシーンがそれだが、そのアントニーニがギリギリで対応し、こぼれ球にもダニエレ・ボネーラがメッシよりも早く喰らい付いた。

    ●ヒーローになったルカとダニエレ
    長年ミランに所属しながらミラニスタに安心して見られることが少ない選手が、ルカ・アントニーニとダニエレ・ボネーラである。
    しかし、ここ最近、特に2月以降の彼らの働きは非常にクオリティが上がっている。
    だからこそ、この日のバックラインは安定感があった。
    最強の攻撃を前にしても焦らず、自分たちの守備ブロックを形成し、ギリギリでも跳ね返す。
    これもまた1つの美であると思うのはセリエファンだけなのかもしれない。
    実際、セリエファンにとっては最大限の重要性を持つとは言えないポゼッションであるが、ミランは前半30.7%と非常に低い数字となっている。
    しかし、この守備に徹する姿に批判があっても、セリエファンであれば甘んじて受け入れながらも満足感を持って賛辞を送り続けるだろう。
    彼らは1番大事な仕事をしたのだから。

    以下、参考資料:前半スタッツ
    2011-2012 UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント準々決勝1st leg ACミランvsバルセロナ 前半スタッツ
    POSSESSO PALLA:ポゼッション
    なお、「% PASSAGI POSITIVI」が「パス成功率」を指すが、筆者はこの「パス成功率」の方をどちらかと言うと重んじる。


    ●「最低の芝」が牙を剥き続けたのは、ミランにとっても同様
    後半開始早々、「最低の芝」と言われたサンシーロの芝はミランに怪我人という形で牙を剥く。
    それがロビーニョの交代である。
    入ったのはステファン・エル・シャーラウィ。
    ”ファラオーネ”はユヴェントス戦でも通用したようにメキメキと力を付けてはいるものの、こういった大舞台での経験は少ない。
    しかしそれでもファラオーネを選択できたのは、彼のこれまでの守備での献身性も計算に入っていた。
    よって、この交代後も戦い方には変わりはない。

    ●ミランの攻撃は一手
    バルサの前プレにポゼッションを諦めたミランにとって残る攻撃の手は2つといっても良かった。
    それは奪ったら早い段階で前線のイブラヒモビッチにハイボールを送り込み、その落としをもう1人のFW(ロビーニョ/エル・シャーラウィ)かプリンス・ボアテングが拾うというのが1つであり、もう1つがそのイブラへのロングボールを警戒してバルセロナのバックラインがリトリートした際にできる2ラインの間をロビーニョ/エル・シャーラウィやプリンス・ボアテングがドリブルで駆け上がるというのがもう1つである。
    このミランの攻撃はどちらも一応の効果を持っている。
    そして、それをゴールに結び付けるだけのクオリティはあったのだが、これはバルサもギリギリのところで跳ね返すこととなった。
    しかし、これは前半途中から続けて試み続けられており、バルサの方にも疲労の蓄積という形でじわじわと影響を与え続けた点は看過できないだろう。

    ●怪我の恐れを考えた選手交代
    サン・シーロの芝がいつも以上に滑り易かったことにより、選手交代はミランはロビーニョ、プリンス・ボアテング、ネスタがそれぞれエル・シャーラウィ、ウルビー・エマヌエルソン、ジャメル・メズバと、バルセロナはイニエスタ、アレクシス・サンチェスがそれぞれテージョ、ペドロと交代するに至った。
    むしろ、フィジカルコンディションを考えると両チーム、この交代しか取る手はなかったのかもしれない。
    しかし、それに加えて、バルセロナの方は明らかに後半の早い時間から中盤のプレッシングが弱まり、ミランの攻撃に打って出ることが可能となっていた。
    そして、バルサの攻撃にもカウンターが多くなったことで、久々の出場で消耗しきってしまったネスタの交代はある意味仕方がないが、バルサに最も勢いがあった前半をネスタ有りで対応できたことはミランにとって大きかったし、十二分に仕事をしきっての交代であった。

    ●互角の後半、決めきれなかったバルサ
    後半の戦いを振り返る上で、最も目立ったのはバルサの疲れの色と無得点による焦りであった。
    圧倒的なポゼッションを誇った前半とは異なり、強引にミランの2ラインやバックラインを突破しようという傾向が色濃くなり、全体として前後に間延びし始めたのである。
    もちろん、ミランにも変化があった。
    それは再度バックラインを高く設定したことである。
    これによって、バルサにとっては裏を取り一気に得点やバックラインを下げる効果を狙い続けるが、ミランは反応しない。
    この「反応しない」ことこそミランの1つの特徴なのかもしれない。
    ビッグゲームでもミランというチームは、自分たちの意思に従ってプレーする。
    ズルズル後退するのではなく、先手を打ってバックラインを下げた前半に対し、相手に余力が少ないことを見てとるやバックラインを上げて跳ね返したミランにバルサはいつものバルサらしさを見失ってしまったのかもしれない。

    ●「最高の攻撃」vs「最高の守備」の再戦は守備に軍配、決戦はバルセロナホーム、カンプ・ノウの地に続く
    ミランにしても完璧な試合をしたわけではない。
    点を取れるシーンは少なくとも4回あったわけである。
    前半に2回、後半に2回である。
    そのチャンスシーンをロビーニョもプリンス・ボアテングもイブラヒモビッチもノチェリーノもエマヌエルソンも決めきることはできなかった。
    そして、さらに言えば後半はもっと落ち着いて攻撃することも可能であったのに、攻め急いでいたのはバルサとさほど変わらない。
    しかし、セリエファンだからこそ思えるのだが、最強の攻撃を持つバルセロナ相手に無失点をもぎ取り、次は「負けなければ良い」という任務を完遂すれば良い状態にできたことは非常に大きい。

    ●ベテランが仕事、舞台を知る男たち
    ミランをして「年寄りクラブ」と攻め立てる声は多く聞こえるが、これは全く的を射ていない。
    結局、バルセロナの攻撃のほとんどを摘み取ったのは、ベテランCBのアレッサンドロ・ネスタであったし、中盤でバルサの攻撃を跳ね返し続けたのはマッシモ・アンブロジーニであったし、ビルドアップの局面で強力であり続けたのは、クラレンス・セードルフであった。
    そして、さらには「年寄り」だからこそできる「のらりくらり感」、つまり、上述の「バルサに対応するのではない守備システムの切り替え」がそこにはあったのではないだろうか。

    ●攻撃のお手本となる選手、それを支える戦士
    対するバルセロナの攻撃において、最も視野が広く、インテリジェンスの高いプレーを見せ続けたのはやはりシャビ・エルナンデスであった。
    彼の針の穴を通すようなショートパスや狭い進路を見極めた上でのパスワークでの突破はこの試合でも際立っていた。
    それを結局のところ支えていたのはプジョルのカヴァーリング能力と闘争心によって支えられた守備であった。
    むしろ、プジョルがいなければミランはカウンターで得点していただろう。

    まとめると、この世界最強のクラブ、バルセロナとの対戦は「年寄り軍団」を奮起させ、困らせ続けた結果、バルセロナでも輝いたのはやはりベテランとなったサンシーロでの戦いであったと1人のミラニスタ目線からは見える。
    この見えるところにも見えないところにも様々な勝負が多いミランvsバルセロナの対戦はおそらく今シーズンのヨーロッパサッカーシーンにおいて、そして「エル・クラシコ」よりも内容の濃いハイライトとなるべき試合であろう。
    そのハイライトは来週にまで続く。



    いつもお読みいただきありがとうございます。
    もしよければ「1日1クリック」にご協力下さい。
    にほんブログ村 サッカーブログ 海外サッカーへ
    にほんブログ村
    スポンサーサイト

    世界最高のチームの攻撃と世界最高の守備の「再会」という運命 ~2011-2012 UEFAチャンピオンズリーグ準々決勝1st leg ACミランvsバルセロナ レビューその前に~

    「どんな運命なのだろうか。」
    3月16日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメントの準々決勝以降の組み合わせをイタリアから帰国した空港で最初に確認した瞬間に思ったことである。

    ミランは現在世界最高のチーム、バルセロナとシーズンで4度も戦うこととなったからであった。
    これは私個人の見解であるが、バルセロナの強さはやはりその攻撃と守備時の攻撃性を打ち出すそのメカニズムにこそある。
    つまり、バルセロナに守備のための守備はほとんど存在しない。
    常にボールを保持し、ボール奪取された場合もすぐにボールを奪い返すということを主眼に置いているためである。

    しかし、「攻撃」があれば「守備」があるのはサッカーの性である。
    その「点を取らせない」という意味でネガティブな観点を持つ「守備で世界最高のチームはどこか」と聞かれれば、私は即座に「ACミラン」と答えるであろうし、それに極めて近いチームとして「ユヴェントス」を挙げるであろう。


    以前、インタビューズで頂いた質問を引用させていただこうと思う。
    (インタビューズ「今シーズン・・・ズバリ!バルサと最高のスカッド同士で試合をして勝ちそうなチームは!レアル、チェルシー、ユナイテッド、ミラン等々から最近で急激に勢力を上げたシティなど・・・それともバルサを超すのはバルサでしょうか?」より)


    「今シーズン・・・ズバリ!バルサと最高のスカッド同士で試合をして勝ちそうなチームは!レアル、チェルシー、ユナイテッド、ミラン等々から最近で急激に勢力を上げたシティなど・・・それともバルサを超すのはバルサでしょうか?」

    答(※要点引用に留めた)
    可能性を持っているチームはレアルマドリード・ACミラン・マンチェスターユナイテッド・マンチェスターシティの4チーム。
    4チームに共通することは、その監督に確固たる守備戦術を築ける環境にあること。
    バックラインをかなり低めに設定し、バルセロナの1つの武器である裏への飛び出しという選択肢を使えなくすることで、バルサの攻撃の形を見えやすくすることができる。
    つまり、「試合の主導権をバルサに渡してしまう潔さ」が必要になる。
    次に、その潔く守りに入って守れてしまう守備の選手の能力と忍耐力が必要。
    ここでは前の3チームの選手達には十二分に力があるといえる。
    最後に90分のうち1分~2分の短く、数少ない攻撃機会を仕留めてしまう力を持ったカウンターがあるかどうかを加味した。
    あとはセットプレー。
    とにかく世界一美しく、世界一強いバルサには「泥臭い粘り」のサッカーでしか対抗できない。
    バルサを超えることができるのはバルサのみ。
    しかし、「試合で勝つ」ことは可能。
    どんな強いチームにも隙はあるから。」


    この時とさほど考えは変わっていないのだが、話を来シーズンに向けてにすると勝ちそうなチームは変わってしまったと言えるだろう。
    マンチェスターユナイテッドにはクオリティが高く、運動量も豊富なセンターハーフを2人獲得しなければこの候補から外れてしまいかねない。
    マンチェスターシティは未だに未知数な感が否めない。
    逆に候補に加わるのはユヴェントス。
    こちらは今シーズンのユヴェントスの試合のレビューを御覧頂ければ1人のセリエファンから見た場合、いかにクオリティの高いチームとして映っているかは御理解いただけるかと思う。


    さて、話を元に戻すとしよう。
    そのバルセロナとの対戦が決まった後、ミランには大事件が起こる。
    それが今や世界最高のセンターバックとも言われるチアゴ・シウヴァの怪我による3~4週間の離脱。
    これはミランにとって大きな痛手であり、そうなるまで使い続けたアッレグリに責任があるが、これはまた別の機会にしよう。
    しかし、この離脱によりミランは圧倒的に不利な状況と追い込まれたことは間違いない。
    そうした重苦しい雰囲気にあって、ミラニスタに不安しかなかったかと言えばそうではない。
    それはグループステージでの戦い振りにミラニスタはミラニスタなりの手ごたえを感じていたし、何よりもミランは「ビッグゲームになるとやっと目覚める」性分であると皆が確信に近いものを持っていたこともあるだろう。



    いつもお読みいただきありがとうございます。
    もしよければ「1日1クリック」にご協力下さい。
    にほんブログ村 サッカーブログ セリエAへ
    にほんブログ村

    2011-2012 UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦 1st leg マルセイユvsインテルミラノ ~これもセリエか!?いや、これはインテルか?~

    インテルが危機的状況に入っていることは、既に今月に入ってからも何回も警笛を鳴らしてきたわけだが、その流れを断ち切ることは難しかったようだ。
    対するマルセイユはここ最近、絶好調と波に乗っており、その差が表れてしまったのかもしれない。
    チーム状況さえ悪くなければ、自信さえ無くしていなければ・・・と思わざるを得ない展開であった。
    それは監督だけでなく、選手にも共通である。
    特にその自信の無さは選手にも顕著に表れていたのかもしれない。

    さて、それではスタメン・ベンチメンバーから御覧頂こう。
    2011-2012 UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦 1st leg マルセイユvsインテルミラノ スタメン・ベンチ


    次にフォーメーション。
    2011-2012 UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦 1st leg マルセイユvsインテルミラノ スタメンフォーメーション
    マルセイユ:4-2-3-1
    インテルミラノ:4-3-1-2(or4-3-2-1)


    ●最初にギアを入れたマルセイユ
    試合開始からギアを入れたのはマルセイユの方であった。
    この時間ハイペースに試合を進めたのは、早い段階での先制点で波に乗り続けたいという考えと、インテルの選手たちを消耗させるという狙いがあったように思われる。
    インテルとしてはその対応策はその勢いをそのままカウンターで突くことで打ちあいに持ち込むか、往なして自らのポゼッションを高く保ち、ペースを崩させるかのどちらかであった。
    そして、その対応策はその中庸、つまり中途半端なものになってしまう。
    原因はチーム全体の自信の無さ。
    中盤がリスクを持って前に飛び出せず、ボールよりも後ろに常に駐在、バックラインもマルセイユの前線のスピードを恐れて押し上げることができない。
    さらにはいつもは上がり過ぎなくらい上がるマイコンでさえもバックラインから前に出ることはほとんどない。
    結局これで前線の3人が孤立してしまうシーンが続出し、攻撃に厚みが出なかった。

    ●守る方は献身的
    やはりこれもチャンピオンズリーグという舞台が持つ力であろう。
    セリエのチームはいつもは攻撃的すぎるほど攻撃的であろうと、チャンピオンズリーグの舞台ではしっかり守る。
    そういう意味ではインテルもまたセリエなのである。
    フィールドプレーヤー10人がしっかり帰陣し、スペースを消すことに成功。
    マルセイユはサイドチェンジを使ってサイドから崩すしか方策がなくなるも、インテルの選手たちは中でしっかりと跳ね返していた。

    ●見つけた穴は単純明快、裏!裏!裏!
    マルセイユはというとチーム全体がフィジカル能力の高さゆえにきっちりと押し上がっていた。
    スピードは確実にマルセイユの方が上。
    その優位をバックラインを高くすることで保とうという策であった。
    それに対し、インテルは意外な弱点に気付くこととなる。
    それが、バックラインの裏である。
    マルセイユのバックラインはスピードはあるが、ラインの統率やその上げ下げはあまりうまくなく、またカヴァーリングを含めたサポート意識が低いことにより、さくさくと裏が取れ始めるようになる。
    そして、前半11分、左のカンビアッソからのクロスに中でドフリーのフォルランが合わせるも、これを防がれてしまう。
    マルセイユの出鼻を挫くことの可能な大チャンスを不意にしてしまう。
    しかし、この裏への攻撃が見つかったことで、やや元気を取り戻したインテルはカンビアッソの攻撃への飛び出しが出てくるようになり、少しばかり攻撃に厚みが生まれ出す。

    ●攻めるマルセイユ、必死に守り裏を狙い続けるインテル
    この構図がその後、後半途中まで続くこととなる。
    マルセイユの攻撃はいたってシンプルであった。
    ポストプレイに出た1トップのブランドンとヴァルブエナで中央に厚みを付け、その中央からサイドのアマルフィターノやアンドレ・アユーに叩く、そして、サイドではサイドハーフときっちりとオーバーラップするサイドバックとが連携してサイドで数的優位を作り、中へ入れるというものであった。
    もともと4-3システムはサイド攻撃に強くないため、相性面でもマルセイユに分があったことは十分に考慮に値する。
    そうした状況でもインテルが全く押されていたかといえば、裏へのパスから可能性を感じるシーンを作り出していたのも事実で、ポゼッションの数値とは違い5分5分のゲームが続くこととなった。
    特にカンビアッソの飛び出しは非常に効いており、前半37分の左で飛び出したカンビアッソのマイナスの折り返しにサラテが合わせたシーンは、キーパーにキャッチされたが決めておきたいシーンであった。

    ●マイコン負傷、長友投入はラニエリの想定を崩したか
    ハーフタイム、長友がマイコンに代わって投入される。
    マイコンは膝に問題が出たとのことで、詳しい怪我の状況はわかっていないが、長期離脱の可能性も指摘されている。
    その長友は非常によくやっていたが、いつも通り「いいところまでいきながら」と思わせるシーンもあった。
    役割的には前半のマイコンと同様、あまりリスキーな攻め上がりはせずに守備の方をしっかりすることが中心となった。
    アンドレ・アイェウに対する対応に関しては卒なくこなしていたし、攻撃面でも攻め上がりはできていた。
    たまにアンドレ・アイェウに一瞬のスピードは負けることはあったものの、相手はガーナ代表としてアフリカネーションズカップで中心選手となった選手、さらには絶好調とあるだけに、仕方ないであろうし、持ち前の粘りで及第点以上の対応はしていた。
    ややもう少しオーバーラップ時に勝負を仕掛けてもよかったが、リスクを犯さないという約束事を守ったためとも思える。

    ●マルセイユのギアアップ
    後半15分あたりからマルセイユのギアが上がり始める。
    このペース配分はインテルの選手たちに疲れが出始める頃を狙ったものであったが、これでインテルは流れを失う。
    まずはマルセイユのプレッシングの強度がアップし、ボールホルダーに対するプレッシングがきつくなるとインテルが上手くパスを回せなくなり、無理やりロングボールで逃げるようになる。
    こうなると前線のサラテ、フォルランには厳しいものがあった。
    決してハイボールでの競り合いには強くない2人であるため、すぐにボールを失ってしまう。
    こうしてインテルの攻撃が封じられ始めてしまったのである。
    そして、ラニエリは突かれ始めたサラテに代えてオビを投入。
    スピードに対し、スピードで対抗しようとする。
    逆にマルセイユは、ブランドンに代えてジョーダン・アイェウ、アスピリクエタに代えてファンニ、シェイルーに代えてカボレを次々に投入し、よりフィジカルを生かした形を形成。
    そんなフィジカル押しのマルセイユにたった1人フィジカル能力で負けじと戦った選手が長友。
    中盤でボールを持ったスナイデルが2人のマークを引きつけて右へスルーパス。
    これに長友がものすごい速さで突進するも最後はカヴァーに入ったモレルがギリギリで対応し、シュートを打てず、滑ってしまう。
    しかし、この勇気こそ、昨日のインテルには欠けていたもの。
    1か所でもその勇気を見せた点は重要な点であったであろう。

    ●決めきれないインテルが受けた厳しい仕打ち
    最後の最後まで負けてはいないものの、点を取りきれなかったインテル。
    最後はしっかり守ってスコアレスで終えようとしていたが、こんなインテルにピンチが訪れた。
    アディショナルタイム3分、左サイドでボールを受けたアンドレ・アイェウがカットイン。
    長友とルシオのマークの受け渡しが乱れ、フリーでシュートを打つ。
    これはジュリオ・セーザルがコーナーに逃げると、そのコーナーキックをアンドレ・アイェウがヘディングで突き刺し、試合終了。
    実はコーナーキックでは前半30分にもマークにインテルディフェンスは付ききれていなかったが、ここでもマークに付ききれず、台頭な形でジュゼッペ・メッツァに勝負を移すはずが、劣勢でミラノに帰国することとなってしまった。


    このゲームにおける最大のポイントは何か。
    それはインテルが少々のリスクを犯してでもアウェイゴールを取りに行くべき試合を、負けてはならない状況、さらには負けないために守らないといけない状況を迎えてしまったことである。
    そしてさらにはラニエリが試合前会見ではスナイデルのトレクァルティスタ起用に難色を示していたにも関わらず、4-3-1-2のトレクァルティスタで起用したことは非常に難解な問題である。
    (筆者はフロントの誰か、つまり、あの人の裏の力が働いたと予想。)
    こうした難しい状況下で「自信を持って勇気ある攻め」というものが繰り出しにくかったのは言うまでもないだろう。
    しかし、こうした重荷を背負った状況でも、CLということもあり守備の方ではハードワークを続けたインテルに勝利の女神は微笑まなかった。
    この守備でのハードワークを怠らなかったところはセリエであり、二重苦があるあたりはインテルである。
    来月に迎える2nd leg。
    このピンチにおいて、インテルがインテルらしく火事場の底力を見せてくれることを、私はサン・シーロのスタンドでセリエファンとして祈ることとなる。



    いつもお読みいただきありがとうございます。
    もしよければ「1日1クリック」にご協力下さい。
    にほんブログ村 サッカーブログ 海外サッカーへ
    にほんブログ村

    2011-2012 UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦 1st leg ナポリvsチェルシー ~これもセリエだ!カウンター狙い炸裂のナポリの作戦勝ち!~

    壮絶な試合であった。
    この試合の重要性を理解した2チームによる総力を尽くした戦いになったと言っても良いかもしれない。
    その試合には様々なポイントがあった。
    そのポイントを見ていきたいと思う。

    まずはこの試合のスタメン・ベンチメンバーから。
    2011-2012 UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦 1st leg ナポリvsチェルシー スタメン・ベンチ

    次にフォーメーション。
    2011-2012 UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦 1st leg ナポリvsチェルシー スタメンフォーメーション
    ナポリ:3-4-2-1
    チェルシー:4-2-3-1

    ●あくまでも攻め勝つこと、点を取ることを狙ったヴィラス=ボアス
    この試合で最も意表を突かれたのは、ヴィラス=ボアスが4-2-3-1を採用したことであった。
    しかも2センターはラミレスとラウル・メイレレスで、攻撃的に来たことは明白であった。
    前記事「[CL直前試合分析] チェルシー徹底解剖 ~PL エヴァートン戦,FA バーミンガム戦を中心に~」でも触れた通り、チェルシーの攻撃は4-2-3-1の際の方が機能しているように見えた。
    ヴィラス=ボアスは4-3-3を捨て、4-2-3-1を取った。
    つまり、この試合ではアウェイゴールを取りに来たのである。
    もちろん、カウンターというリスクがさらに高まることは重々承知であっただろう。

    ●早くも発見されたチェルシーの弱点
    そのチェルシー相手に、ナポリはいつも通り前からプレッシングを掛けつつ守備ブロックを形成した。
    そして、カウンターに打って出たのである。
    ナポリには狙い通りの展開となったわけだが、その上、ナポリはチェルシーの弱点を早期に発見する。
    それが裏のスペースをひたすら狙うことであった。
    特にケイヒルの裏を弱点と見たようで、やや左を突くようなパスが多くなる。
    この狙いが当たる。
    前半10分、インレルから裏に抜け出したカバーニへ。
    この1対1はチェフが好セーブで何とかピンチシーンを防ぐ。
    そして、その直後のプレーでボジングワが左ハムストリングを負傷。
    怪我明けのアシュリー・コールと交代する。

    ●固さが出たナポリの失点
    自分たちのスタイルを貫くナポリの攻守が形になりきらなかったのは、大舞台特有の固さが出ていたような気がする。
    スタメンの全選手が初のUEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメントの舞台だったというのは、経験面でチェルシーに大きく負ける部分であった。
    その経験不足による固さが失点シーンに表れてしまった。
    後半29分、低い位置でボールを失い、マルダからスターリッジへ繋がれ、中へのグランウンダーの折り返しをパオロ・カンナバーロがクリアミス。
    これをゴール前で拾ったマタがきっちり決め、チェルシーはラッキーな先制点を獲得する。

    ●愚直に裏を狙う縦パスを連発
    ここで流れに乗ったチェルシーはどんどんポゼッションし、押しこんでいく。
    対するナポリは主導権を奪い返しにいかなかったのである。
    あえて劣勢に持ち込みながら、チェルシーの選手を引き出そうとしたのである。
    ポゼッションをチェルシーに譲りながら、縦パスで愚直に押し続けたナポリは、攻めあぐねているように見えたかもしれないが、得点以外の狙いもあったのではないだろうか。
    それが、チェルシーのバックラインを押し下げ、チェルシーの攻守を分断することであったのだろう。
    しかし、この狙いはうまくいかなかったが、それでもチャンスシーンは作ったのである。
    前半39分、ナポリの攻撃が裏を狙っていることを予測したチェルシーのバックラインが下がったところで、ラベッシがバイタルエリア左でカバーニからパスを受け、中盤の選手が裏のスペースを消す動きをしたのを見るやミドルシュート。
    これをゴール左隅に決め、ナポリが同点に成功する。
    このときにはナポリの選手はいつもの動きを取り戻していた。
    そして、前半最後に試合を本当の振り出しに戻す。
    前半ロスタイム2分に右サイドのインレルのクロスにカバーニがバックラインを振り切り胸トラップで押しこみ、ナポリが前半のうちに逆転に成功したのである。

    ●1失点した以上、ポイントはもう少し点差を付けれるか否か
    後半に入ってからもお互い攻撃が必要な状況は変わらなかった。
    そしてその姿勢をより表したのはチェルシーであった。
    ビルドアップ時に両CBが開くのは前半からもだったが、それに加えてチェルシーの中盤が前に出ているのにも関わらず、ナポリの前からのプレッシング、裏への飛び出しを恐れて押し上げられなくなったのである。
    攻守の分断がここに成功したのである。
    これによって、早い段階でボールを奪取されたチェルシーはもともと低いカヴァーリングの意識にも後押しされて守備時に選手が1人抜かれるとあとはドフリーという状況ができあがったのである。
    そして、さらにチェルシーの2ラインが完全に開いたのである。
    後半9分、ダビド・ルイスとメイレレスの連携ミスのこぼれ球をカバーニが拾うと、しっかりと空いた2ラインの間をドフリーで持ち上がり、左にドフリーで上がって来るラベッシへ。
    ラベッシは左足でシュートを打つがゴール右へ。
    ナポリはチャンスを逸するが、チェルシーの陣形が崩れていることを顕著に表していた。
    そして、当たり前のように追加点が決まる。
    後半20分、裏へのボールにカバーニが反応し、D・ルイスとの競り合いを制した後、またもやドフリーで突進してくるラベッシへ。
    これを今度は右足で精確に決め、ナポリは追加点に成功する。
    このシーンのチェルシーは、途中でアシュリー・コールがダッシュをやめていたり、中盤の選手が全く戻ってきていなかったりと、守備意識には完全に崩壊が見られてしまった。

    ●これがセリエだ!守るとなれば守れるという共通点
    2点差としたナポリはもう守るだけで十分だった。
    この時点からリスクを犯さずチャンスがあれば突くというスタイルに変更する。
    ナポリはこの時点から前に1人を残してフィールドプレーヤー9人が自陣深く守り、5-4ブロックを形成することで守りを固めた。
    この時点で、ヴィラス=ボアスはメイレレス、マルダと代えて、エッシェン、ランパードを投入するが、時既に遅しであった。
    こうなってしまうとこの試合を通じて効き続けたディディエ・ドログバのポストワークと独力での局面打開にしかほとんど可能性を残していなかった。
    ナポリの交代はラメッシに代えてジェマイリを投入する。。
    これもまたカウンターでサイドに開いたハムシクが折り返したボールをマッジョがシュート。
    これをアシュリー・コールがゴールギリギリでクリアというファインプレーを見せ、何とか追加点を防いだ。
    ハムシクに代えてパンデフを投入し、運動量を維持しつつ守備固めを続け、チェルシーに焦りが見え始めた時が万事休すだった。


    この試合においては組織的に守り、攻めるナポリと個の力を最大限生かしながら攻めるチェルシーの姿が見られた。
    そして結果的には愚直にも見える裏へのボールの連発しながらも最終的には完全にチェルシーディフェンスを攻略してしまったナポリに軍配が上がった。
    チェルシーはやはり圧倒的な個の力を発揮した。
    上に述べたディディエ・ドログバを筆頭にファン・マタ、フロラン・マルダには圧倒的な個の力が存在した。
    そのチェルシーの驚異的な攻撃を、2ラインを狭く設定したきれいな5-3(後半最後は5-4)ブロックを敷きながら組織的に守ったナポリの姿はこの試合の象徴的シーンであっただろう。
    しかし、これがセリエである
    圧倒的な個の力に頼らずとも戦術で、組織力で勝つこともできるのもセリエなのである

    ナポリは1つのつまらないミスからゴールを奪われたことも事実である。
    そのアウェイゴールが足を引っ張らないといけないよう、スタンフォード・ブリッジでも集中して試合にいどみ、勝ち抜けを決めなくてはならない。



    いつもお読みいただきありがとうございます。
    もしよければ「1日1クリック」にご協力下さい。
    にほんブログ村 サッカーブログ 海外サッカーへ
    にほんブログ村

    2011-2012 UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦 1st leg ACミランvsアーセナル ~帰ってきたダイナミズム!帰ってきたミラン!~

    ここ1カ月のミランは動きが少なく、ダイナミズムに欠けるサッカーをしているとしきりに指摘してきたことは前の記事からもおわかりいただけると思う。
    そのミランに怪我人が何人か帰ってきた。
    今回の主役はその1人、ケヴィン・プリンス・ボアテングである。
    このムーンウォーカー、いや、この王子が帰ってきたことで、ミランのサッカーにダイナミズムが戻ってきたのである。

    さて、この試合のスタメンを御覧頂こう。
    2011-2012 UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦 1st leg ACミランvsアーセナル スタメン・ベンチ

    次にフォーメーションを御覧頂く。
    2011-2012 UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦 1st leg ACミランvsアーセナル スタメンフォーメーション
    ACミラン:4-3-1-2
    アーセナル:4-2-3-1
    実線は主に重要となる動き。(赤はミラン、黄色はアーセナル)
    訂正:ヴェルメーレンが右CB,コシェルニーが左CB

    ●良いものを変えてしまったヴェンゲルの選択
    2月に入ってからのアーセナルは「[CL直前試合分析] 2011-2012 プレミアリーグ第25節 サンダーランドvsアーセナル ~アーセナルの新たなサイクルは始まっている~」で示した布陣を敷き、バランスを取り戻したように見えていた。
    しかし、このバランスをアーセン・ヴェンゲル監督は崩し、やや守備のケアを意識した布陣を敷いた。
    この理由として最も大きいのがメルテザッカーの離脱であろう。
    これにより、ヴェンゲル監督は、トーマス・ヴェルメーレンかジュアン・ジュルーをCBに起用するという選択肢を強いられていた。
    そして、ここで選択したのが前者であって、それによって左サイドバックにキーラン・ギブスを配置することとなる。
    その左サイドのディフェンスにリスクを感じたヴェンゲル監督は、左サイドハーフにトーマス・ロシツキーを回し、センターにアーロン・ラムジーを置くこととなったのであろう。
    しかし、この起用に答えれなかったのが、キーラン・ギブスであった。
    詳細については後述するとしよう。

    ●お互いの最も弱い部分は左サイド
    さて、もう1度フォーメーション図を御覧頂こう。
    今度は実線が加えられているが、この実線は私が事前に重要となるであろうと見た動きである。
    また重要となるポイントには色つきの円を加えておいた。
    2011-2012 UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦 1st leg ACミランvsアーセナル スタメンフォーメーション 動き付き.JPG

    ミランにとって最も怖いのは左サイドを攻略され、チアゴ・シウヴァを左サイドに引っ張り出されること。
    中にチアゴ・シウヴァがいる限りはファン・ペルシーのスーパーゴール以外はないと見てもよかった。
    (もちろん、ファン・ペルシーのスーパーゴールが生まれる可能性は十分高いし、2度ほどその機会があった。)
    次に怖いのはアバテとメクセスの中間のスペースの裏を完全に突かれること。
    ここもファン・ペルシーの得意な場所であり、非常に怖い部分であった。

    逆に、アーセナルにとって最も怖いのは、もちろん左のサイドバックとセンターバックの間のギャップやスペースを突かれること。
    こちらについては「[CL直前試合分析] 2011-2012 プレミアリーグ第25節 サンダーランドvsアーセナル ~アーセナルの新たなサイクルは始まっている~」で詳述したつもりだが、サイドバックがサイドや前に釣りだされたスペースを別の選手に突かれるシーンは数多く、アッレグリがノチェリーノを右に配したのもそういった狙いがあったと見れる。

    ●弱点を突き合う立ち上がり、そしてハプニング
    前半立ち上がりは両者ともにその弱点を突き合う格好となる。
    キックオフ直後からミランは右サイドを攻めた。
    対するアーセナルも右サイドからの攻撃を繰り出す。
    その中で見えてきたのは、この試合のミランはリトリートして自陣にしっかり戻り守ることを選択したことであった。

    そんな中、ハプニングが起こる。
    前半4分、左サイドでのプリンスとのパス交換から、クラレンス・セードルフがミドルシュート。
    このシュートは外れるとともに、セードルフが右足を痛める。
    この後も12分までプレーを続けたが、これは様子見と交代選手のアップ時間を待ったためであろう。
    この9分の間はミランにとって非常に危ない時間であったが、他の選手が攻撃などで時間を稼いだため、何事にも至らなかった。
    前半12分、そのセードルフに代わってエマヌエルソンが投入される。
    そのエマヌエルソンは直後の前半13分、スローインの流れからカットインし、イブラヒモビッチの落としを受けてシュートを打つもこれはジャストミートしないが、しっかりと準備ができたことを示す。
    なお、先ほどの動き付きのフォーメーション図に書き換えを行うとすると、セードルフがバイタルエリア付近で攻撃のアクセントを付ける役割であったのに対し、エマヌエルソンに期待されたのはロングパス精度を生かしたビルドアップと、左サイドの攻撃参加であることをここに明記しておく。

    ●ミランのダイナミズムの象徴は「王子様」
    この日は右へ左へどんどんと流れ、さらにスペースに飛び込むミランの選手たちの姿があった。
    その象徴が、復帰したばかりのケヴィン・プリンス・ボアテングである。
    前半15分、そのプリンスが跳躍する。
    右サイドでシュチェスニのロングボールを拾ったノチェリーノが、フリーのまま裏に飛び出すプリンスへ浮き球のパス。
    これを胸トラップで受けたプリンスは迷わず右足を振りぬいた。
    これがゴール上隅を叩きながらゴールに突き刺さり、ミランが嬉しい先制点を奪う。
    このシーンで御覧頂きたいのはこの図である。
    2011-2012 UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦 1st leg ACミランvsアーセナル 先制点ポイント
    ここではマークの受け渡しがまたもや問題となった。
    イブラヒモビッチに付いているのが、ギブスなのか、コシェルニーなのかという問題である。
    ここではどちらもイブラヒモビッチについており、アルテタも詰めることができていない。
    常時怪我人が出てバックラインが固定しきれていないこともあり、こうした意思疎通がまだ十分でないことは今後の課題と言えよう。

    ●想定外の展開、狙いが外れた采配
    ヴェンゲル監督にとってこれほどまでに早く先制点を奪われることは想定外であったに違いない。
    ロシツキーを左に配したことから予測できるヴェンゲル監督の狙いは以下のような感じであったのではないか。
    「前半は点を取れなくても、取らさなければいい。後半、点を取れなくて焦ったミランが前掛かりになったタイミングでチェンバレンとアンリを投入し、カウンターで仕留めれば良い。」
    しかし、この狙いは頓挫した。
    この結果、アーセナルは是が非でもアウェイゴールを奪いたい状況が早く訪れてしまったのだ。
    となると、帰結する結論は以下のようになる。
    「もともと攻撃の形が全く掴めていないわけではない。攻勢を仕掛け、早いうちに同点に追いつく。」
    こうしてアーセナルは全体としてラインが押し上がり、またもや攻撃時にはバックラインがミラン陣内の高さにまで高くなる。

    ●攻める時は攻める、守る時は守るが久々にできたミラン
    しかし、この日のミランはいつもと違った。
    中途半端な攻撃、中途半端な守備に終始することの多かった1カ月の戦いを「チャンピオンズリーグ」というだけでこんなにも変えれるのかと思うくらいメリハリを付けて、しっかり自陣に戻ってディフェンスし、大人数でカウンターを仕掛けるようになっていたのである。
    もちろん、危ないシーンはあった。
    上図に示したアバテとメクセスの間の裏を前半18分にファン・ペルシーにいとも簡単に突かれることもあった。
    しかし、それよりも目立ったのはカウンターである。
    前半17分のカウンターは惜しくも外れたが、この時点で「しっかり守り、カウンターで突くミラン/ポゼッションし攻めるアーセナル」の構図は既に出来上がっていた。
    前半36分のロビーニョのカウンターも惜しいものであった。
    おおよそヴェンゲル監督の狙いと真逆の展開であっただろう。

    ●攻め急ぐあまりに横の選択肢が減少、ワイドな攻撃がなくなったアーセナル
    私が「[CL直前試合分析] 2011-2012 プレミアリーグ第25節 サンダーランドvsアーセナル ~アーセナルの新たなサイクルは始まっている~」で指摘した通り、ロシツキーには縦、横の攻撃のバランスを付ける能力、攻撃のバランス間隔が優れている。
    ラムジーは逆に縦のダイナミズムに優れるが、攻めるしかなくなったアーセナルにおいて、ロシツキーがセンターにいないことは大きく影響したのではないか。
    センターで攻撃にゆとりを持たせる選手がいないため、どんどんと攻撃サイドが偏り、単発に終わる攻撃によって、アーセナルが攻勢を仕掛けながらも思い通りの攻撃を繰り出すことは少なくなってしまった。
    4+3で守るチームにとって、サイドチェンジほど嫌な攻撃の選択肢はないのだから。

    ●試合を決めにかかると決めてしまったミラン
    前半のうちにこの試合の勝敗は決まることとなる。
    前半38分、左サイドで抜けだしたイブラヒモビッチに、アーセナルサイドはオフサイドを主張もそのままフリーで左サイドを抉ったイブラヒモビッチが中のロビーニョへ。
    これをロビーニョがヘディングで押しこみ、ミランは追加点奪取に成功する。
    この日のロビーニョはいつものように外すことはなかった。

    ●立て続けの不運にさらされたアーセナル
    この日のアーセナルはハーフタイムを挟んで3つの不運に襲われる。
    1つがコシェルニーの負傷であり、ハーフタイムを待たずしてジュルーと交代を強いられた。
    そしてもう1つの不運が後半4分だった。
    左サイドのイブラヒモビッチが近くの中にいるロビーニョにパスを出すと、ジュルーが逆を取られ振り切られる。
    そのカヴァーに動いたヴェルメーレンが今度は滑ってしまい、ソングがカヴァーに入るも間に合わず、ロビーニョはフリーでシュート。
    なんとこれが素晴らしいコースに飛び。
    ゴール左隅へ。
    ミランが思いもしない追加点を決め、勝敗は決まった。

    ここでコシェルニーのケースに最も当てはまる言葉を引用させていただくことにする。
    それはこの試合の会場となったサン・シーロをミランと同じくホームとするインテルミラノのカピターノ、ハビエル・サネッティの言葉である。
    「―(略)―。ここのピッチは、天候が普通の時だって最低のコンディションだからね。」
    (インテルミラノ日本語公式HP サネッティ:「僕たちは全力を尽くしたけど、奇妙な試合だった」より)

    ●切り札投入の選択肢はウォルコットでよかったのか
    その3点目が入る前、ハーフタイムにヴェンゲル監督はティエリ・アンリを投入した。
    代えたのはウォルコットだったが、それでよかったのかどうかは疑問がある。
    ミラニスタの立場からすると、ほとんど勝敗は決まったがチャンピオンズリーグ決勝トーナメントにおいては勝敗以外にもアウェーゴールが明暗を大きく分けることも多い。
    そうした状況下で、孤立していたとしてもウォルコットを代えるのではなく、ラムジーに代えてアンリを入れ、ロシツキーをセンターに戻される方が怖かった。
    ワイドな攻撃を取り戻せば、ウォルコットの孤立は解消できた気もしなくはない。
    なぜならば、前半も右サイドにいながらロシツキーがパス交換を最も行っていたのだから。
    以下の図を御覧頂こう。
    2011-2012 UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦 1st leg ACミランvsアーセナル アーセナル前半スタッツ.JPG
    この図は前半のアーセナルの選手の平均ポジションとパス交換を線の太さで表しているものである。
    ロシツキーはギブスがほとんど参加してこない左サイドの攻撃を司りながら、センターにも顔を出し、パスワークの中心となっていたことがわかる。
    このロシツキーがセンターに回っていれば、おそらくもっとワイドに攻撃し、右のウォルコットも左の選手も効果的に攻撃にいどめたのではないかというのが私の主張である。

    しかし、どちらにせよ、余裕を持って対応されているファン・ペルシーの傍に、アーセナル復帰後はポジショニングの良さがかなり際立つティエリ・アンリが入るのはミランディフェンスにとって大きな脅威であったのは間違いない。
    そして、その起用はズバリあたっていた。
    後半11分、サニャの折り返しにアンリがうまく合わせて、ファン・ペルシーに浮き球を出す。
    これにファン・ペルシーがダイレクトでボレー。
    素晴らしいコースに蹴りこむも、アッビアーティが好セーブ。
    さすがアンリとファン・ペルシー、というところを見せ付ける。

    ●動くヴェンゲル、対応するアッレグリ
    ギブスに代えてのアレックス・オスクレイド・チェンバレンの投入である。
    ソングをセンターバックに下げ、ヴェルメーレンを左SBにおいて、完全に攻めの姿勢を作り上げる。
    中盤は、右からチェンバレン、アルテタ、ラムジー、ロシツキーで4-4-2という布陣に切り替える。
    対するアッレグリもすかさずこれに対応し、怪我明けのプリンス・ボアテングがここで交代。
    カピターノ、マッシモ・アンブロジーニを投入する。
    これにより、4-4-2に。
    この4-4-2はダブルアンカーの4-4-2のようなもので、ここ最近守備固めのときによく使っている。
    中盤の枚数をきっちり同数にすることで対応する。

    ●カテナチオの4-4-2
    ミランがヨーロッパの舞台で「守る」ことを主眼とした場合、相手チームが組織的に崩すことはほとんど難しいと言っても過言ではないかもしれない。
    あのバルサでさえ、「メッシ」という武器なしには不可能であると自負する。
    しっかりと危険な2ライン間の距離を狭くしながら、裏のスペース、バイタルエリアをケアすることで、その後、アーセナルにはチャンスは1度しかなかった。
    そのチャンスシーンではアッビアーティが再び好セーブを見せ、無失点で切り抜けたミラン。
    セリエの守備組織が「守る」と決めたらヨーロッパの舞台では異質なほど「守りきれる」ことを証明したのではないか。
    それどころかカウンターからイブラヒモビッチがPKを奪い、自ら決めてしまった。
    狡猾すぎるほど狡猾に勝ちきったミランですが、これが「セリエ」であり、「カルチョ」です。
    突破に向け、2nd legには4点のリードを保った状態で進むこととなる。

    2011-2012+UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦+1st+leg+ACミランvsアーセナル+スコアボード_convert_20120216213222.jpg




    この試合においてはやはり「UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント」という舞台が、ミランの選手たちを奮起させたのではないだろうか。
    明らかにここ1カ月の選手の動きが何だったのかと思わせるほどのハイパフォーマンスを見せたことが、アーセナル撃破への1戦目を納得の形で終えさせたことは言うまでもない。
    久々のベスト8へ、そして、後に続くセリエ勢のヨーロッパでの戦いを牽引すべく、ミランの戦いはまだ始まったばかりだ。

    対するアーセナルは予想以上のミランのハイパフォーマンスに驚きはあったに違いない。
    ここ最近のアーセナルは良いバランスを見つけていたと言える。
    しかし、それでも怪我人続出の状況の影響を拭い去ることができなかった。
    もちろん、「たら、れば」はある。
    ヴェンゲル監督に与えられた選択肢は数少ないものであっただろうが、もう少し攻撃的に勝負を挑んでも良かったのかもしれない。
    ただ、随所に見られたのは、それでもやはり驚異的な選手を常に保持しているという点。
    ファン・ペルシーはオフ・ザ・ボールの動きでも、シュートのテクニック、精度でも一級品であったし、ティエリ・アンリはベテランの味を絶妙のポジショニングという点で見せてくれた。
    若き戦士アレックス・チェンバレンもドリブルを果敢に仕掛け、勝つシーンも多かった。
    ロシツキ^に至っては攻撃のオーガナイズの点で優れたバランス感覚を見せていた。
    それだけに、その組み合わせが噛み合わなかった采配が悔やまれる。

    2nd legは2012年3月6日(火曜日)、舞台をロンドン・エミレーツ・スタジアムに移して行われる。
    この舞台でもきっとアーセナルはミランを脅かし続けるだろう。
    若い選手にとっては逆境が奮起への起爆剤となるはずだ。
    ミランはその逆転を期するアーセナルをうまく往なさねばならない。
    ヨーロッパの舞台において、油断は禁物である。
    「スーペルデポルの奇跡」「イスタンブールの悲劇」を繰り返さぬためにも、次節は再び試されるときなのである。



    いつもお読みいただきありがとうございます。
    もしよければ「1日1クリック」にご協力下さい。
    にほんブログ村 サッカーブログ 海外サッカーへ
    にほんブログ村

    | NEXT≫

    プロフィール

    Author:ロッソネリ
    FC2ブログへようこそ!

    最新記事
    最新コメント
    最新トラックバック
    月別アーカイブ
    カテゴリ
    おすそ分けのお願い
    スポンサードリンク
    検索フォーム
    RSSリンクの表示
    リンク
    ブロとも申請フォーム

    この人とブロともになる

    QRコード
    QR
    FC2カウンター
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。